資料館愛称、「帰還者たちの記憶ミュージアム」に 「雪風」元乗員・故西◆(ヤマヘンに竒)さんの企画展開催 東京・新宿

AI要約

平和祈念展示資料館が愛称とロゴマークを公開。愛称は「帰還者たちの記憶ミュージアム」。戦後80年近くを経て、資料館の特徴や役割を理解するため。

特別企画展「15歳 少年兵の記憶」開催。故西◆信夫さんの軍艦『雪風』での体験を展示。10代の彼が目撃した戦争の悲惨さを訴える。

戦争体験を通じて若者に平和を伝える取り組み。

資料館愛称、「帰還者たちの記憶ミュージアム」に 「雪風」元乗員・故西◆(ヤマヘンに竒)さんの企画展開催 東京・新宿

 太平洋戦争に出征した兵士や戦後強制抑留者、海外からの引き揚げ者の労苦を語り継ぐ展示施設として2000年に東京都新宿区の新宿住友ビルに開館した「平和祈念展示資料館」が17日、初の愛称とロゴマークを公開した。

 

 愛称は「帰還者たちの記憶ミュージアム」。ロゴは、帰還者たちが「生きてふるさとの土を踏むまでは」という気持ちで船内から海原を見た窓を表現した。戦後80年近くがたつ中で、資料館の特徴や役割を端的に理解してもらうのが狙い。

 これに合わせて、特別企画展「15歳 少年兵の記憶 僕は、駆逐艦『雪風』から散っていく命を見た。」を開催。旧海軍に志願し、雪風に3年8カ月乗り組み多くの海戦に参加、海外からの復員・引き揚げ輸送にも従事した故西◆(ヤマヘンに竒)信夫さんの日記や資料、写真を展示して軌跡をたどった。

 西◆(ヤマヘンに竒)さんは13年から同資料館の語り部を務め、21年11月に94歳で他界した。

 学芸員の山口隆行さんは「戦艦『大和』などの艦艇が沈没する戦闘場面に立ち会い、見届けた死者は1万人以上になる。まだ10代だった西◆(ヤマヘンに竒)さんが目にした悲惨な現場を、資料を通じて見てもらいたい。純粋な少年たちが二度と戦争に行くことがないように。それが訴えだった」と述べた。同企画展は10月14日まで。