意外と知らない「首都直下地震」が恐ろしいワケ

AI要約

東日本大震災や最近の地震を経て、首都直下地震の恐ろしさが問われている。地震の発生位置によって12の被害想定があることや、具体的な被害想定が東京都内で公表されていることには注意が必要だ。

被害想定を知ることが重要であり、東京都内の足立区など低地や海抜ゼロメートル地帯の地域が特に危険だとされている。現在のうちに被害想定を把握し、備えることが必要だ。

また、大災害が起こる可能性が高い日本において、最悪のシミュレーションや恐怖の大連動についても十分に理解し、対策を講じる必要がある。

意外と知らない「首都直下地震」が恐ろしいワケ

2011年3月11日、戦後最大の自然災害となる東日本大震災が発生した。あれから13年、令和6年能登半島地震をはじめ何度も震災が起きている。

もはや誰もが大地震から逃れられない時代、11刷ベストセラーの話題書『首都防衛』では、知らなかったでは絶対にすまされない「最悪の被害想定」が描かれ、また、防災に必要なデータ・対策が1冊にまとまっている。

(※本記事は宮地美陽子『首都防衛』から抜粋・編集したものです)

首都・東京をいつか襲うと言われている「首都直下地震」、その恐ろしさを本当に理解している人はどれだけいるだろうか?

〈首都直下地震が恐ろしい理由の一つは、震源がどこになるのか想定しにくいことにある。

国の中央防災会議は首都機能がダメージを受ける12のパターンを想定する。

経済や政治、行政が直接的な被害を受ける「都心南部」「都心東部」「都心西部」の3つと、空港や高速道路、石油コンビナートなどの首都機能を支える「さいたま市」「千葉市」「市原市」「立川市」「横浜市」「川崎市」「東京湾」「羽田空港」「成田空港」の直下で起きる9つのパターンだ。

どこで発生するのかによっても被害は大きく変化する。〉(『首都防衛』より)

これだけのパターンがあり、それぞれ被害の大きさも性質も異なる。

まずはそのことを知ることが重要だ。

東京都の被害想定は、思いのほか具体的である。

〈東京都が公表した「都心南部直下地震」の被害想定を見ると、東京都内で全壊棟数、死者数、負傷者数ともに最多なのは、23区の北東部にある足立区だ。

荒川と隅田川に挟まれる千住地区などは平坦な低地で、泥と砂が堆積した軟らかい地盤であるため、地震の揺れが増幅しやすいと言われている。

足立区を含めた江東区、江戸川区、墨田区、葛飾区の5区は全域が低地で、一部では地表面の海抜が満潮時の海の高さよりも低い「海抜ゼロメートル地帯」になっている。〉(『首都防衛』より)

東京や関東圏で生活している人にとって、いまのうちから被害想定を知っておくことで、「そのとき」に備えることができるはずだ。

つづく「『まさか死んでないよな…』ある日突然、日本人を襲う大災害『最悪のシミュレーション』」では、日本でかなりの確率で起こり得る「恐怖の大連動」の全容を具体的なケース・シミュレーションで描き出している。