小池都知事の「保育料第1子無償化」方針が波紋 千葉・熊谷知事は「まだやるの?」と懸念

AI要約

東京都の小池知事が第1子の保育料無償化を提案し、隣県の千葉県知事や他県知事の懸念が広がっている。

隣県との教育格差拡大への懸念や国への地方税収格差是正要望が提起されている。

小池知事の動きにより、自治体間で財政力や子育て政策の差が浮き彫りになり、統一的な取り組みへの要望が上がっている。

小池都知事の「保育料第1子無償化」方針が波紋 千葉・熊谷知事は「まだやるの?」と懸念

豊かな税収を背景に、東京都の小池百合子知事が3選した知事選で公約に掲げた「第1子の保育料無償化」方針が波紋を広げている。千葉県の熊谷俊人知事は都と隣県との教育格差拡大に強い懸念を示した。影響を受けかねない都に隣接する千葉県内の自治体も困惑気味だ。子育て政策を巡る都と他県との新たな火種になりそうだ。

熊谷知事は9日、小池都知事が第2子以降に限らず、第1子の保育料無償化まで打ち出したことに、「まだやるのっていう感じだ」と、ため息交じりに語った。「高校の授業料の実質無償化」に続く都の素早い動きに、「東京とそれ以外で福祉の格差はどんどん開く。われわれの努力で(格差を)埋めることはできない」と懸念も示した。

千葉、神奈川、埼玉の3県知事は5月、財政力の違いから居住地により子育てや教育支援策に格差が生じているとして、国に地方税収の格差是正を要望した。

こうした動きをよそに、小池知事は子育て支援の幅を拡大する。県内自治体の子育て政策担当者は「財政力のある東京がうらやましい」とこぼす。別の自治体では戸惑いも見られた。

「格差をなくすため、国が統一してやるべきだ」「財源には限りがある。総合的に子育て政策を考える必要がある」といった声が上がる。(岡田浩明)