異例ずくめ都知事選 不適切ポスター巡り与野党から法改正の声 掲示板スカスカも

AI要約

過去最多56人が立候補した東京都知事選挙では、ポスターの掲示板が注目を集めた。不適切なポスターやポスターが貼られない空き掲示板が目立ち、異常な状況だった。

選挙戦中に政治団体が掲示板枠を販売し、風俗店の広告まで掲載されるなど問題が発生。批判や警告が相次ぎ、候補者や政治関係者からの意見も寄せられた。

一部の候補者は資金や人員の制約からポスター活動が困難で、自転車で掲示板を巡りながらポスターを貼り、大変な労力を要していた。

異例ずくめ都知事選 不適切ポスター巡り与野党から法改正の声 掲示板スカスカも

 過去最多56人が立候補した東京都知事選挙は、ポスターの掲示板も注目されました。番組が週末に撮影した掲示板です。不適切なポスターが貼られたり、多くの掲示板で空きが目立ったりと異常な状態となっていました。

 フタを開けてみれば現職・小池百合子氏(71)の圧勝で終わった東京都知事選。

 3週間近くに及んだ選挙戦の裏で、街中には目を疑うような光景がありました。ある掲示板では、動物のキャラクターが書かれた同じ種類のポスターがずらっと貼られています。候補者とは関係なさそうにみえます。

 ある政治団体が24人の候補を擁立し、団体に寄付した人に掲示板の枠を与え、まるでポスター枠の販売行為が行われました。その中には、風俗店の広告まで出る始末。警視庁が警告を出す事態となりました。

街の人(30代)

「“普通に考えたら分かるよね”というようなことを本当にやってしまうという」

「変なの貼るのは、ちょっと違うなって思います」

「子どもたちも見ているし、いい写真ではなかったじゃないですか」

 こうした問題を巡って、与野党からも発言が相次ぎました。

公明党 石井啓一幹事長

「秋の臨時国会において、しっかりと法改正の議論ができるよう」

立憲民主党 泉健太代表

「これから何かしら縛りをかけるかということを考えなきゃいけないですね」

 問題となったポスタージャック。お金を払って、自作のポスターを貼った男性に話を聞きました。

ポスター制作に関わった男性

「ただ単に宣伝目的だった」

 ただ、この男性、選挙戦の途中でポスターを剥がすことになりました。

ポスター制作に関わった男性

「SNSで批判的な意見が出てきた。マイナス以外のなにものでもなかった」

 掲示板の枠を埋め尽くす前代未聞の行為ですが、すべて埋まったわけではありません。

 番組では、都内およそ200カ所の掲示板を調査。そこには、立候補者のために用意された掲示板が空白のままになっています。8割ほどの掲示板は半分以上ポスターが貼られていませんでした。都内には1万4000の掲示板が立てられましたが、この政治団体がいわゆる販売行為ができたのは1000カ所しかなかったのです。

 空白のままの掲示板。その一方で、全く別の理由からポスターを貼ることができなかった候補者もいます。

 選挙も大詰めとなった5日、自転車に乗って現れたのは、今回初めて立候補した野間口翔氏(36)。届け出順は1番となりましたが、ポスターはあまり見かけませんでした。

 その理由とは。

野間口氏

「この自転車で回っている状態です。ここにポスターがあります」

 なんと、1人で自転車に乗ってポスターを貼っていたのです。

野間口氏

「資金と人員の差なのかな」

 他の候補者が公開しているマップをもとに、掲示板の位置を調べる野間口氏。次の掲示板へと移動します。

 掲示板の場所を確認しているようです。立ち止まって確認したり、道を間違えたりと、たどり着くのも一苦労。ようやく1枚ポスターを貼ることができました。

野間口氏

「(Q.今500枚ちょっと貼れて、あと2日で)よくて200枚」

 この日、活動を終えたのは、日をまたいで午前2時半すぎとなっていました。