石丸伸二氏と蓮舫氏の2位争いを可視化、都市部で明暗分かれる  東京都知事選の得票分析

AI要約

東京都知事選で石丸伸二氏が躍進し、前広島県安芸高田市長が蓮舫氏を上回る存在感を示した。

石丸氏は都内53市町村で得票率2位となり、特に中央区などで蓮舫氏を大きくリードした。

都市部や若い世代から支持を得た石丸氏が、ネット地盤を開拓して蓮舫氏を破り、今後の政治戦略に影響を与える可能性がある。

石丸伸二氏と蓮舫氏の2位争いを可視化、都市部で明暗分かれる  東京都知事選の得票分析

7日投開票された東京都知事選で、インターネット上で人気を集めた前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏は、得票数で前参院議員の蓮舫氏=立憲民主党を離党=を上回る2位となって存在感を示した。注目を集めた2番手争いについて、島しょ部を除く市区町村での得票率の差を地図上で可視化すると、「石丸現象」と呼ばれた躍進を支えた地域が浮かび上がってきた。各地域での得票率は濃淡で表し、色の濃い市区町村ほど、その候補の得票率が高くなっている。

■中央区では2倍近い差

当選した小池氏の得票は291万8015票で得票率は42・8%。石丸氏は165万8363票で24・3%、蓮舫氏は128万3262票で18・8%だった。石丸氏は蓮舫氏に得票率で5ポイント以上の差をつけた。

ネットの動画メディアを中心に人気を集めた石丸氏は、都内62市区町村のうち53市町村で小池氏に次ぐ2位となった。23区においては全てで蓮舫氏を破り、特に中央区では2倍近い票数を稼いだ。近隣の千代田区、港区、品川区でも蓮舫氏に大きく差をつけた。

反対に蓮舫氏が石丸氏を上回ったのは小金井市、東大和市、清瀬市、多摩市、日の出町、檜原村、奥多摩町、大島町、御蔵島村の4市3町2村で、いずれも多摩地域か島しょ部だった。得票率で石丸氏へのリードが最も大きかった檜原村でも、その差は約1・25倍にとどまった。

■渋谷で小池氏に迫った石丸氏

石丸氏の各市区町村ごとの得票率を見ると、都市部の方が支持される傾向が強かった。ネットと親和性の高い若い世代が多い地域で票数を伸ばし、渋谷区では小池氏に惜敗率で78・7%と迫った。

■蓮舫氏はJR中央線沿線で善戦

蓮舫氏は中央区、千代田区など都心部で苦戦し、石丸氏に差を広げられた。一方で、得票率23・3%の武蔵野市を筆頭に、国立市、小金井市などJR中央線沿線で善戦した。これまでの国政選挙で、立憲民主党が強かったエリアと重なる。

石丸氏は都知事選で「ネット地盤」とも呼ばれる新たな支持層を開拓し、大臣経験のある大物政治家の蓮舫氏を破った。衆院解散総選挙が取りざたされる中、ネット上のインフルエンサーが出馬した場合、既存政党はこれまでと違う選挙戦を強いられる可能性が出てきた。(西山諒)