事務局長、虚偽記載の中止を進言「幹部に何度も話した」 公判で語る

AI要約
自民党派閥の政治資金パーティー収入を裏金化した事件で松本淳一郎被告が在宅起訴され、公判が続いている。松本事務局長はノルマ超過分を報告書に記載しないことを幹部に進言していたことを認めた。安倍派では中抜きや再開要求の経緯も浮かび上がり、検察から幹部の名前が問われる場面もあった。
事務局長、虚偽記載の中止を進言「幹部に何度も話した」 公判で語る

 自民党派閥「清和政策研究会」(安倍派)が政治資金パーティー収入の一部を裏金化していたとされる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪で在宅起訴された同派事務局長の松本淳一郎被告(76)の第3回公判が9日、東京地裁であった。パーティー券販売のノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載しないことについて、松本事務局長は「幹部に(やめた方がいいと)何度か話したことがある」と進言していたことを明かした。幹部の名前や詳しい時期は明らかにしなかった。

 8月9日に論告求刑と最終弁論が行われ、結審する見通し。

 松本事務局長は、会計責任者を務めた2018~22年の5年分の収支報告書にノルマ超過分の収支計約13億5千万円を記載しなかったとして起訴された。

 松本事務局長による「進言」とは別に、安倍派では22年、安倍晋三元会長の提案でいったん中止が決まった後に再び還流が始まった経緯があり、事務局長は6月の公判で「ある幹部」から再開するよう要求されたと明かしていた。

 この日の公判で、検察側から「ある幹部は誰か」と聞かれた事務局長は、「ご本人がおっしゃらないので、私も回答を控えたい」と説明した。

 ノルマ超過分について、還流とは別に、派閥側に納めずに議員側でプールする「中抜き」も長年続けられていた。事務局長は18~19年の中抜き分の約8千万円は「認識がなかった」として、虚偽記載を否認している。(横山輝、藤牧幸一)