水俣病公式確認のきっかけ、小児性患者・田中実子さんに伊藤環境相が面会「意思の強さ感じます」

AI要約

水俣病の患者・被害者団体と伊藤環境相が行った再懇談が8日から始まった。

伊藤氏は水俣病確認のきっかけとなった田中実子さんの自宅を訪問し、初めて会ったことで感心した様子。

伊藤氏は患者支援施設で患者や家族と面会し、支援の共同進行を約束した。

 水俣病の患者・被害者団体と伊藤環境相が5月に行った懇談で、環境省職員が団体側の発言中にマイクを切った問題を受け、伊藤氏と団体側の再懇談が8日、熊本県水俣市で始まった。

 伊藤氏はこの日、水俣病公式確認のきっかけとなった小児性患者・田中実子さん(71)の自宅を訪問。環境大臣が田中さんと面会するのは初めてで、「顔色が良いですね。意思の強さを感じます」と声をかけたという。

 1956年5月1日、保健所に田中さんらの症状が報告され、後に公式確認の日となった。現在は寝たきりで話せず、長年、支えてきた姉の下田綾子さんは昨年、79歳で亡くなった。義兄の下田良雄さん(76)が介護し、ヘルパーが24時間態勢で支えている。

 訪問は非公開で、下田さんは介護する家族の高齢化を懸念し、「家族がいなくなれば患者が一人になってしまう」と伝えたという。

 伊藤氏は、患者の支援施設「月浦ほたるの家」で、胎児性患者・坂本しのぶさん(67)とも面会。坂本さんは「(家族も)私の面倒を見るのが大変になってきた。いつまで元気でいられるかわからない」と不安を吐露。伊藤氏は「みなさんの苦難を受け止め、何ができるか、政策をみなさんと共同で進めていきたい」と話した。