【解説】消費者への影響は?ふるさと納税“ポイント禁止” 競争の激化が原因か 総務省と楽天の主張が対立…撤回を求め署名開始

AI要約

楽天がふるさと納税のポイント付与禁止に反対し、総務相が適正化を求め理解を呼びかける。

総務省が2025年10月から仲介サイトでの独自ポイント付与を禁止する方針を表明し、楽天と対立。

ポイントの財源に関する主張が対立し、楽天は総務省の決定の撤回を求めて署名活動を展開。

【解説】消費者への影響は?ふるさと納税“ポイント禁止” 競争の激化が原因か 総務省と楽天の主張が対立…撤回を求め署名開始

楽天がふるさと納税のポイント付与禁止に反対し署名を集める中、2日、松本総務相は制度の適正化を求め理解を呼びかけた。

総務省は、2025年10月から仲介サイトでの独自ポイント付与を禁止すると発表しており、楽天はこれに対し、民間の協力を否定するものだと反発している。

楽天がふるさと納税の制度変更に対する反対署名を集める中、松本総務相は2日、「適正化を目指すもの」だとして理解を求めた。

総務省は6月、独自のポイント付与を行っている仲介サイトで自治体が寄付の募集を行うことを、2025年10月から禁止すると発表した。

こうした中、楽天グループは「民間原資のポイントまでも禁止し、地方自治体と民間の協力、連携体制を否定するもの」だとして、総務省の決定の撤回を求めて、反対の署名活動を行っている。

これに対し、松本総務相は記者会見で「適正化を目指すものであるとご理解をいただきたい」などと強調した。

ここからは、ふるさと納税のポイント付与をめぐる、総務省と楽天の主張の対立をくわしく見ていく。

小山内 鈴奈 キャスター:

ふるさと納税で1万円を寄付した場合を例に見ていきます。多くの方は、「仲介サイト」を通じて自治体に寄付をしています。すると、自治体から寄付額の3割以下である最大で3000円相当の返礼品がもらえます。さらに、仲介サイトから寄付額に応じた「ポイント」がもらえるのですが、このポイントを総務省が問題視しています。

総務省は2025年10月からの新ルールで、独自のポイント付与を行っている仲介サイトで、自治体が寄付を募集することを禁止すると発表しました。

つまり、ふるさと納税した際に返礼品とは別にもらえていた、お得なポイントがもらえなくなってしまうということです。

青井 実 キャスター:

ーーどのような理由で、禁止になるのでしょうか?

小山内キャスター:

禁止になる理由は、「最大30%還元」、「毎月3日はポイント3倍」など、ここ数年で、仲介サイトの間でポイント還元率を高めたキャンペーン競争が過熱しているためです。その「ポイントの財源」に、自治体の経費が実質的に使われていることが問題視されていて、今回、総務省が対策に乗り出した形です。

これに対し、反発したのが、仲介サイトを運営する楽天グループです。楽天側は、ポイントの財源は自社で負担していると主張しており、今回の決定の撤回を求めて、インターネット上で反対の署名活動を開始しました。

青井キャスター:

ーー「ポイントの財源」をめぐって主張が対立しているというのは、どういうことでしょうか?

小山内キャスター:

ふるさと納税にくわしい、法政大学教授・東京財団政策研究所の平田英明氏によると、自治体は仲介サイトを利用するための手数料として、一般的に「寄付金額の 約10%~15%」を支払っているということです。

小山内キャスター:

総務省は、この手数料の中に「ポイントの財源」も含まれていて、ポイント競争が過熱している状況が緩和されれば、手数料が下がることにつながると期待しています。

2日、松本総務相は「金の流れを見れば、寄付額から仲介サイトに入り、そこからポイントの金も出ていると言ってもいい部分もあるのではないか。そうしたお金の流れは、やめていただきたいということで禁止させてもらった」と話しています。