「献上品」かたった男に懲役3年求刑 農家から桃など詐取 福島地裁

AI要約

加藤正夫被告(76)が皇室への献上品と偽った罪に問われ、検察は懲役3年を求刑。弁護側は執行猶予を求めた。

加藤被告は桃を偽って献上品として受け取るなどの詐欺行為が明らかになり、被告は謝罪の言葉を述べた。

検察と弁護側で詐欺罪の有罪を巡り意見が対立。判決は9月に言い渡される。

 皇室への献上品と偽って農家から桃をだまし取ったなどとして、詐欺と偽造有印公文書行使などの罪に問われた農業園芸コンサルタント加藤正夫被告(76)の公判が2日、福島地裁(島田環裁判長)であり、検察側は懲役3年を求刑した。

 弁護側は執行猶予を求め、結審した。判決は9月5日。

 検察側は論告で「巧妙な犯行であり悪質。犯罪に対する規範意識が鈍麻している」と指摘。弁護側は最終弁論で、偽造有印公文書行使罪の成立は認める一方で、詐欺罪については無罪を主張した。

 加藤被告は「農家には迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。

 起訴状によると、加藤被告は2022年6月ごろ、宮内庁大膳課名義の「献上依頼書」と題する偽造文書を使い、福島市の農家の男性から桃4箱(時価合計1万6500円相当)をだまし取るなどしたとされる。