「一日も早い復興を」 九州豪雨4年 熊本県人吉市で追悼式

AI要約

熊本県人吉市で追悼式が開かれ、九州豪雨で亡くなった21人が追悼された。

市消防団の団長が被災時の状況を振り返り、避難の重要性を訴えた。

市長は復興が進む一方、未だ多くの方が応急住宅での暮らしを余儀なくされている現状を指摘し、一日も早い復興を目指す決意を表明した。

「一日も早い復興を」 九州豪雨4年 熊本県人吉市で追悼式

 九州5県で災害関連死を含め81人の死者・行方不明者が出た2020年7月の九州豪雨から4年になるのを前に、21人が亡くなった熊本県人吉市で30日、犠牲者追悼式が開かれた。最も被害の大きかった熊本県内は死者・行方不明者が69人に上り、八代市や球磨(くま)村でも追悼式が開かれてきたが、遺族の高齢化などで今年は人吉市のみの開催となった。

 人吉市役所であった追悼式では、20年7月4日の被災時、市消防団の団長だった丸尾喜世人さん(75)が追悼の言葉を述べた。精肉店を営んでいた丸尾さんは早朝、増水した球磨川を見て「いつもより早く配達を済ませよう」と家を出たが、帰宅すると既に自宅が浸水し始めていたという。

 丸尾さんは「あの日、前夜からの大雨を認識しながら『そんなにひどいことにはならないだろう』と思っていた人は私も含めて多いのでは。私が伝えられるのは避難情報や警報が出たら『とにかく早く避難して』ということだ」と呼び掛け、教訓を防災に生かしていくことを誓った。

 松岡隼人市長は「被災者の恒久的住まいとなる災害公営住宅が完成するなど目に見える復興が進んでいることを実感するが、今なお多くの方々が応急住宅での生活を余儀なくされているのも実情。誰一人取り残さない決意の下、一日も早い復興を目指す」と語った。【野呂賢治】