「違いがわかりにくい」の声…都知事選、小池と蓮舫の政策「どこがどう異なってる?」第1優先は小池「教育・子育て」、蓮舫「若者支援」

AI要約

7月7日投開票の東京都知事選は、現職の小池百合子都知事と前立憲民主党参院議員の蓮舫氏による「女傑対決」が注目されている。2人の支援政党・団体や戦略は異なるものの、政策の違いが分かりにくいとの声が根強い。しかし、2人それぞれの公約や政策の違いは明確であり、小池氏は過去の実績を強調し、蓮舫氏は現役世代の手取り増加などを主張している。

小池氏の公約には、無痛分娩費用助成や保育の無償化拡大、介護職員昇給制度構築などが盛り込まれている。一方、蓮舫氏の公約には、非正規都職員の正規化やリスキリング支援などが挙げられており、二人の政策は明確に異なる。

小池氏と蓮舫氏の公約や選挙戦の激論はマスコミや有権者の注目を集めているが、それぞれの政策や公約が適切に伝えられているかには疑問が残る。両者の選挙戦を通じて、選挙戦略や具体的な政策内容に注目が集まっている。

「違いがわかりにくい」の声…都知事選、小池と蓮舫の政策「どこがどう異なってる?」第1優先は小池「教育・子育て」、蓮舫「若者支援」

 7月7日投開票の東京都知事選は、現職の小池百合子都知事と前立憲民主党参院議員の蓮舫氏による「女傑対決」が注目されている。ただ、2人の支援政党・団体や戦略は異なるものの、政策の違いが分かりにくいとの声は根強い。それもそのはず、2人が掲げる題目は似通っている部分が少なくないからだ。では、2人の公約はどのように違うのか。経済アナリストの佐藤健太氏が解説する。

 小池氏と蓮舫氏は6月18日にそれぞれ公約を発表し、翌日に日本記者クラブ、同24日には公益社団法人「東京青年会議所」の公開討論会で激論を交わしてきた。だが、新聞やテレビ、ネットメディアを眺めても2人が掲げる政策は見つけにくい。日頃は「政策論争に期待したい」「政策を競い合え」などとマスコミは求めているのだが、読者・視聴者にどれだけ届いているのかと疑問に感じる。

 そこで2人の公式サイトを訪れると、これまでの政策や今回の公約などを容易に見つけることができる。まず、現職の小池氏は「新型コロナウイルス対策で死者数が先進国最低クラスに抑制」「災害対策の充実強化によって首都直下地震の被害想定が約36%減」「待機児童数は97%減少」「18歳まで月5000円支給する『018サポート』や私立高校の授業料実施無償化、介護職に年間最大30万円給与アップ」「無駄をなくす取り組みを徹底し、8年間で計8100億円を確保。都民1人あたりの借金は8万円減少」といった2期8年の実績を並べている。

 今回の都知事選で打ち出した公約は、無痛分娩費用を新たに助成▽保育の無償化を第1子にまで拡大▽子育て世帯の家賃負担の軽減▽東京都版大学給付型奨学金制度の創設▽東京都版海外留学制度の創設▽都独自の認知症専門病院創設▽在宅医療介護支援の強化▽おひとり様高齢者への支援強化▽東京都版介護職員昇給制度の構築▽シルバーパス改善▽非正規雇用の処遇改善支援▽スタートアップ支援強化▽クリエイターの才能を育むプロ養成機関の創設▽多摩モノレール延伸▽鉄道駅へのホームドア設置の加速、島嶼振興策の拡充―といったものが盛り込まれている。

 記者会見や公約発表のタイミングを小池氏に重ね、「小池都政をリセットする」と対抗心を燃やす蓮舫氏の方はどうか。蓮舫氏は、公約の1番目に「現役世代の手取りを増やす」と掲げている。新しく条例を制定し、東京都と契約する事業者に働く人の待遇改善を要請し、非正規の都職員を正規化するという。新しい職種に転職しやすくするリスキリングの支援も掲げた。