核のゴミ「文献調査」交付金で佐賀県玄海町議会「まず町議会と協議を」…「県などと協議」発言の町長に

AI要約

佐賀県玄海町で行われる原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場選定に伴う交付金について町長が県や唐津市との協議を予定しているが、町議会が議論の順番に疑問を投げかけた。

文献調査に伴う交付金は活用範囲が広く、近隣自治体との配分も可能である。北海道の例を挙げて、地域課題解決に活用されていることが紹介された。

町長が交付金を巡る協議相手として県と唐津市を挙げたが、県は受け取らない考えを示しており、唐津市も市長選の影響を懸念する声があがっている。会見で町長は具体的な決定をしておらず、慎重に対応していく姿勢を表明した。

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場選定の第1段階「文献調査」が佐賀県玄海町で行われることに伴い、国から支給される交付金について、脇山伸太郎町長が「取り扱いを巡っては県、唐津市との協議となる」と見通しを語った点を巡り、17日開かれた町議会予算特別委員会で、「話が性急すぎる。県や唐津市より前にまず町議会と協議すべきだ」との指摘が出た。脇山町長は「今後は(議会側と)そごがないよう慎重にしていく」と答えた。

 文献調査に伴う交付金は2年間で最大20億円。地域振興や公共施設整備、医療・福祉サービスなどに活用できる。調査実施の自治体が5割以上を受け取れば、都道府県や周辺自治体への配分も可能。文献調査が行われている北海道寿都町、神恵内村では近隣の計4町村に配分され、4町村は地域の課題解決に活用している。

 脇山町長は7日の記者会見で、交付金を巡る協議の相手として県、唐津市を挙げた。この点について上田利治議員が「県は(交付金を)受け取らないと言っている。唐津市では来年1月に市長選が行われる予定だから、受け取るかどうか心配だ」と指摘し、「先走りせずに十分注意してやってほしい」と要望した。

 脇山町長は「記者会見では制度の説明をした。交付金を巡って詳しいことは国とも話していない。(交付金受け取りを)留保するとか少し遅らせるといったことも考えられる、と説明している」と釈明した。