ウクライナに大型地雷除去機や発電機を供与へ…岸田首相とゼレンスキー氏が2国間文書に署名

AI要約

岸田首相とウクライナのゼレンスキー大統領が会談し、2国間文書に署名した。支援策には軍事装備の提供や人道支援が盛り込まれ、ロシアの新たな攻撃に備えることも明記された。

首相はウクライナとの長期的支援を表明し、電力需要に対応する発電機や地雷除去機の供与などを約束。ゼレンスキー氏は日本の支援に感謝の意を示した。

両氏は地雷対策の国際会議に向け、来年秋にも協力することを合意した。

 【ファサーノ(イタリア南部)=森藤千恵】イタリア訪問中の岸田首相は13日午後(日本時間13日深夜)、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との会談で2国間文書に署名し、安全保障分野などでの長期的支援を打ち出した。

 文書の名称は「日・ウクライナ支援・協力アコード」。先進7か国(G7)首脳が昨年7月の共同宣言で、ウクライナへの協力を約束したことに基づいて作成された。

 支援策としては、日本は「憲法上・法律上の要件と規則」に従うとし、殺傷能力のない装備・物資の提供や、インテリジェンス(情報収集、分析)分野での協力を盛り込んだ。人道や復旧・復興では、地雷対策やがれき除去、人道状況の改善などを挙げた。

 将来、ロシアが新たにウクライナを武力攻撃した場合、24時間以内に協議を行うことも明記した。文書に法的拘束力はないが、有効期間を署名から「10年」とした。

 首相は約30分間の会談で、「日本が今後もウクライナとともにあることを示す文書に署名できてうれしく思う」と述べ、切迫する電力需要に対応するための分散型の発電機や、日本製の大型地雷除去機の供与などを行う考えを伝えた。ゼレンスキー氏は日本の支援について、「我々が平和に近づくための力強い後押しになっている」と謝意を示した。

 両氏は来年秋にも日本で主催する地雷対策の国際会議に向け、協力することでも一致した。