こじれる副知事問題「1年限りでの再任を」 群馬の山本一太知事が県議会に提案

AI要約

山本知事は議会との事前協議が不十分だったと謝罪し、宇留賀氏の再任案を提案。任期は1年だけに限る妥協案を示す。

最大会派の自民党が宇留賀氏の再任に関して不信感を指摘し、質疑を行う。山本知事は1年限定であることを宇留賀氏が承認していると述べる。

質疑を受けた山本知事は、進めてきた事業が1年で正念場を迎えるとし、1年限定任期案を提案。再任案は17日に提出する予定。

こじれる副知事問題「1年限りでの再任を」 群馬の山本一太知事が県議会に提案

県議会の賛同が得られず未提出の状態が続く群馬県の前副知事・宇留賀敬一氏(43)の再任人事案に関し県議会全員協議会が12日に開催され、山本一太知事は議会との事前協議が不十分だった点などを改めて謝罪したうえで、宇留賀氏の任用を1年だけに限るとする妥協案を示した。

■「私のおごり…反省している」

冒頭、山本知事は今回の騒動について「私のおごり、慢心、議会への甘えがあった。真摯(しんし)に反省している」などと語った。そして、宇留賀氏の過去5年にわたる実績を個別政策を挙げつつ強調。そのうえで議会の理解を得て再任された場合も宇留賀氏の副知事としての職務期間を1年限りとし、1年後は新たな人材に副知事を任せると提案した。

その後、質疑に入り、最大会派の自民党の井下泰伸県連会長は今年3月中旬、宇留賀氏が所属する経済産業省を退職するとの情報を得たが、知事サイドから再任に関する説明がなく、不信感が醸成された経緯を指摘した。

さらに任期を1年のみとする案について、①1年限定かどうか②宇留賀氏本人も承諾しているか③任期を1年のみというのは地方自治法上、困難ではないか-などについてただした。

■〝猪突猛進〟型県政、改善を

山本知事は1年限定である点を宇留賀氏も承認しているとした。法制上の問題点については、任期はあくまで4年だが、途中で辞める事例もあるとし、その点につて「何らかの担保が必要なら検討する」とした。

その後、金子渡氏(会派=つる舞う)、後藤克己氏(同=リベラル群馬)、水野俊雄氏(同=公明)、酒井宏明氏(同=共産)、宮崎岳志氏(同=維新)が質問。山本知事のトップダウンに走る〝猪突猛進〟型県政運営の改善を求める意見が中心。水野氏のみが、法との関連で1年任期とすることに明確に反対を表明した。

■事業、この1年で正念場

約1時間半にわたる質疑を終えた山本知事は「正直にお話しさせていただいた。任期を1年限りというのは、(宇留賀氏と)進めてきた事業がこの1年で正念場を迎えるから。1年限定をどう担保するかは今後議会と相談したい」。再任案は県議会最終日の17日に提出するとした。

一方、井下幹事長は「知事には誠意をもって語ってもらったと思う。任期を1年限りとする約束には評価する人も党内には多いのではないか」と語った。