今年は“異常な梅雨”に!?例年以上に警戒を 「雨量は7月上旬がピーク」「日本で異常気象が生まれやすいワケ」気象予報士が解説

AI要約

今年の近畿の梅雨入りは異常な様相を呈しており、大雨に備える必要があると気象予報士の広瀬駿さんが警告している。

梅雨入りは気象庁が曇りや雨の頻度に基づいて判断し、梅雨が到来すると防災上のメッセージも込められるようになっている。

近年の研究によると、梅雨期の降水量のピークが移動し、7月上旬が特に降水量が多く、集中豪雨の発生頻度も増加傾向にある。温暖化が進行するとさらに増加する可能性がある。

今年は“異常な梅雨”に!?例年以上に警戒を 「雨量は7月上旬がピーク」「日本で異常気象が生まれやすいワケ」気象予報士が解説

 今年の近畿の梅雨入りはいつになる?そもそも梅雨入りはどうやって決められている?6月7日、気象予報士の広瀬駿さんに聞きました。広瀬さんは「今年は異常な梅雨になりそう」という見解を示した上で、大雨に警戒を呼びかけています。

 広瀬駿さん:はじめに、近畿の梅雨入りはいつになるのか。過去のデータを振り返えると、平年、近畿の梅雨入りは6月6日ごろです。ただ、平年の日に「梅雨入り」と発表されることは稀で、去年は5月29日ごろでした。また、2019年は6月27日ごろと、かなり遅れた年もありました。

 ―――そもそも梅雨入りは、どのように決められているのでしょうか?

 実は、気象庁の人が「曇りや雨が続きそうだな…」と思ったらです。梅雨というのが、曇り・雨の降る日が多くなったらその期間を梅雨というふうに定義されているだけなんです。

 ―――梅雨入りはなぜ発表するのでしょうか?

 近年、発表の意味合いが変わってきています。毎年のように甚大な災害が発生するようになったため、最近は、「大雨に備えてくださいね」という防災上のメッセージが意味合いに込められてきています。

 広瀬駿さん:大阪市北区の今後の天気を見ますと、6月9日からの週は、前週よりも少し周期的に天気が変わっていくと思います。6月16日からの週は、ずっと雨マークが出ていて、私はだいたい16日が梅雨入りかなと考えています。

 ―――例年よりも遅い梅雨入りとなった場合、梅雨が明けるのも遅くなるのでしょうか?

 一概にはそういうふうには言えないんですね。梅雨入りが遅くても梅雨明けが早かった年もありますし、梅雨入りが遅くてもすごく雨が降ったという年があります。

 広瀬駿さん:梅雨期の降水量のピークが、昔と比べて変わってきているという研究結果が出ています。1901年から1950年では、6月下旬に降水量のピークが来て、7月に入ると雨量がだんだん減って真夏に向かうという流れでした。一方で2001年以降は、7月上旬に降水量のピークが来るようになりました。近年では、この7月上旬というのが特に警戒すべき時期になっています。

 そして降水量が昔より増えています。東シナ海の海水温が急激に高まる時期が7月上旬になってきていて、より雨が降りやすくなっています。また、別の研究結果によりますと、線状降水帯を含めた「集中豪雨」の7月の発生頻度が、45年前の3.8倍になっています。今後温暖化が進んでいくと、より増えてしまうのではないかと言われています。

 今年7月上旬までの近畿の降水量はどうなりそうなのか。6月8日から7月7日の1か月予報では、日本海側はほぼ平年並みですが、太平洋側は平年並みか多い見込みです。一番降る時期に平年以上の大雨になりそうだということで、梅雨入りが平年より遅れているとはいえ、今年はいつも以上に警戒をしてください。