静岡・掛川市長もJR東海の対応批判 リニアの井戸水位低下問題

AI要約

岐阜県瑞浪市の井戸水位低下問題でJR東海の対応が遅れていることが指摘された。

JR東海は水位低下を把握したが報告が遅れ、トンネル工事が中断された経緯がある。

掛川市長は静岡工区では水枯れが生じても工事の影響を即座に判断するのが難しいと懸念し、補償に関して協定の必要性を主張している。

静岡・掛川市長もJR東海の対応批判 リニアの井戸水位低下問題

 リニア中央新幹線のトンネル工事現場に近い岐阜県瑞浪市の井戸の水位が低下した問題で、静岡県掛川市の久保田崇市長は3日、定例記者会見で、JR東海の対応について「岐阜県への報告が遅れている。行政にも速やかな報告が必要。対応として適切でなかったと思っている」と指摘した。

 JR東海は2月に水位低下を把握したが、岐阜県に報告したのは5月になってからで、瑞浪市でのトンネル工事を一時中断したのも5月中旬だった。

 掛川市はリニア静岡工区着工の鍵を握る大井川流域10市町の一つ。久保田市長は大井川中下流域で工事による異変があった場合について「岐阜県の場合、工事をしている所のすぐ近くに井戸やため池があり、誰がどう考えても工事の影響と言える。静岡工区の場合、工事の箇所と掛川市は離れている。水枯れが生じても工事の影響なのか即座に分かりにくい」と懸念する。

 大井川の水に影響があった時の補償に関して「自治体や住民に立証せよと言われても困難。状況に変化があった時、誰の責任でどういう調査をするのか定めておかないと泣き寝入りすることになりかねない」と語り、県とJR東海が着工前に協定を結ぶ必要性を主張した。【山田英之】