老舗百貨店、藤丸(北海道)など2社が特別清算

AI要約

(株)藤丸とふじまるビル(株)が特別清算開始命令を受けた経緯。

(株)藤丸の創業から経営難に至るまでの経緯。

ふじまるビル(株)の設立から清算開始と負債額について。

 (株)藤丸(TDB企業コード:030019077、資本金5000万円、登記面=北海道帯広市西2条南8-1、代表清算人藤本長章氏)と、ふじまるビル(株)(TDB企業コード:030100787、資本金5000万円、同住所、同代表清算人)は、5月20日に釧路地裁帯広支部より特別清算開始命令を受けた。

 申請代理人は森川雄介弁護士(弁護士法人神戸・万字・福田法律事務所、北海道札幌市中央区南1条西11、電話011-241-7770)。

 (株)藤丸は、1900年(明治33年)創業、50年(昭和25年)10月に法人改組された。当初は呉服商として創業、1930年以降に業態を変更し、帯広市内で百貨店「藤丸」の運営を行っていた。十勝管内および道東地域では唯一の地元資本の百貨店として、帯広市内のみならず北見市のほか、オホーツク・釧根エリアにも固定顧客を有し、衣料関連を主体に食料品や雑貨などの商品を扱い、店頭販売を主体に一部外販による営業展開で、92年8月期には年売上高約145億7300万円を計上していた。

 地域に根ざした老舗百貨店として相応のブランドを有し、顧客より支持を得ていたが、デフレ不況による個人消費の低迷などから集客は伸び悩み、2002年8月期から4期連続で赤字計上を余儀なくされていた。このため2006年8月期より社有不動産の売却や従業員給与の削減など大幅なリストラを実施し、これらが奏功してその後4期連続で経常黒字を回復していた。

 しかしその後も、地域人口の伸び悩みが続くなか、ネット通販など他の業態との競合や札幌圏への顧客流失などから、業況の本格回復には至らなかった。2020年に入り新型コロナ感染拡大の影響による営業時間短縮を余儀なくされ、2021年8月期の年売上高は約44億7600万円にダウン、7期連続で欠損を計上し、再度経営難に陥っていた。この間、金融機関より借入金の元金据え置きの返済猶予を得て業況の改善に努めていたが、2023年1月に百貨店「藤丸」を閉店。当社は、2023年11月30日に解散していた。

 ふじまるビル(株)は、1979年(昭和54年)12月に設立され、(株)藤丸が運営していた百貨店に付帯する不動産賃貸・管理業務などを手がけていたが、同日、同様の措置となった。

 負債は(株)藤丸が約25億4000万円、ふじまるビル(株)が約8億6600万円、2社合計で約34億600万円。

 なお、百貨店業務の再開に向けて新会社である藤丸(株)(帯広市)が2022年12月28日付で設立されている。