インドとベトナム、これから投資するならどっち?…エミン・ユルマズ氏が「明確に答えがある」という理由

AI要約

新興国インドとベトナムの投資先を比較。インドとベトナムは資源を持つ新興国として注目されており、将来性が期待される。

インドの株価は上昇傾向にあり、ベトナムでは株価が下落しているが、長期的に見れば成長が期待されるとの見方。

米国大統領バイデンのベトナム訪問により、米越関係が強化。ベトナムは共産主義国家であるが、アメリカとの関係が向上し、資本の流入が期待されている。

インドとベトナム、これから投資をするならどちらが有望なのか。エコノミストのエミン・ユルマズさんとフリーアナウンサーの大橋ひろこさんの共著『無敵の日本経済! 株とゴールドの「先読み」投資術』(ビジネス社)より、一部をお届けする――。

■資源を持つ新興国に注目

 【エミン・ユルマズ(以下、エミン)】大橋さんはかねがね「新興国のインデックス投信商品」に投資しているとお話しされていますね。

 【大橋ひろこ(以下、大橋)】ここ数年は先進国、とりわけ米国企業の株を中心とした投信のほうが、パフォーマンスが良かったのですが、それでも、新興国のインデックス投信も結果はすべてプラスです。

 そしてこれから先も新興国に注目しています。グローバルサウスという枠組みが注目されていますが、それらの国では資源を持っている点が大きいと認識しています。

 【エミン】それと、新冷戦で恩恵を受けそうな国にも注目です。2023年にも引き続きインド株が上がりました。あとはベトナムです。ベトナム経済はここ1、2年調子が悪い。けれども、長期的に見れば良くなると思うので、逆に株価が下落している現在、ベトナム企業の株は買いやすくなっています。

■バイデンのベトナム訪問で大変化

 【大橋】エミンさんが抱くベトナム像はどんなものですか? また、国際情勢のなかにおける立ち位置をどう捉えていますか?

 【エミン】ベトナムは現在も共産主義国家です。そして、自由市場的な経済運営をしながらも、共産党の一党独裁を続けているという意味では、ひと昔前の中国のような感じだと思います。

 そのベトナムに2023年9月、米国のバイデン大統領が訪問しました。そのときのハイライトは何と言っても、米越二国関係が格上げされたことでした。

 具体的には従来の「包括的パートナーシップ」から「包括的戦略パートナーシップ」という最上位の外交関係になったのです。

 米国にこうした優遇を与えられると、欧米各国や日本など先進国から資本が集まりやすくなるので、当然、ベトナム側も大歓迎です。