日中韓首脳、共同声明発表へ-きょう4年半ぶり3カ国会談

AI要約

日中韓3カ国の首脳会談が4年半ぶりに開かれる。会談では経済・貿易、人的交流など6分野について意見を交換し、FTAの交渉再開で合意する見通し。

3首脳がそれぞれ2カ国会談を行い、李首相は経済問題の政治問題化を避け、岸田首相は中国の軍事活動や台湾情勢に懸念を表明。日韓では北朝鮮への対応で連携することで一致。

日中韓のGDP合計は世界全体の22.5%を占める。日中韓ビジネスサミットも開催され、経済の再活性化や持続可能な社会について議論。

(ブルームバーグ): 約4年半ぶりとなる日中韓3カ国の首脳会談が27日、ソウルで行われる。経済・貿易や人的交流など6分野について意見を交わし、共同声明の発表で調整している。

岸田文雄首相、中国の李強首相、韓国の尹錫悦大統領が出席する。3カ国首脳会談の開催は約4年半ぶり。日本経済新聞は27日付朝刊で、首脳会談では19年から中断している自由貿易協定(FTA)の交渉再開で合意する方針だと報じた。共同声明原案には「包括的で質の高い互恵的な日中韓FTAの実現をめざし、交渉を加速するための議論を行う」と盛り込んだという。

各国が持ち回りで議長を務める3カ国首脳会談は9回目。前回は19年12月に中国・成都で行われたが、新型コロナウイルス禍もあり、その後は開かれていなかった。その間、韓国では保守系の尹政権が誕生し、日米との関係強化に動いている。米中対立が続く中、日本は今回の会談を経済面などで日中韓協力の再活性化につなげたい考えだ。

外務省の資料によると、日中韓の国内総生産(GDP)の合計は23.58兆ドルで世界全体の22.5%を占める。

日中韓首脳会談にあわせ、経団連の十倉雅和会長らもソウルを訪問。27日午後に「第8回日中韓ビジネスサミット」を行う。3首脳が演説するほか、韓国の崔泰源・大韓商工会議所会長らと「経済の再活性化」や「持続可能な社会」などについて意見交換する。

2カ国会談

3首脳は26日、2カ国会談をそれぞれ行った。中韓首脳会談で、中国の李首相は経済問題を政治問題化することは双方とも避けるべきであり、サムスン電子を含む韓国企業の対中投資拡大を歓迎すると語ったと国営新華社通信が報じた。

日中首脳会談で岸田首相は、中国による日本周辺での軍事活動の活発化について「深刻な懸念」を改めて表明したほか、台湾についても最近の軍事情勢を含む動向を注視していると伝えたという。

一方、日韓首脳会談では、北朝鮮への対応で「日韓、日韓米で一層に連携していく」ことで一致した。北朝鮮は27日未明、同日午前0時から6月4日午前0時までの間に「人工衛星」を打ち上げると日本政府に通報した。