日中韓、FTA交渉再開へ 過剰生産問題念頭 首脳会談で合意調整

AI要約

日中韓3カ国は27日に韓国の首都ソウルで開かれる岸田文雄首相と中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による首脳会談で、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉再開で合意する方向で最終調整に入った。

日中韓によるFTAは2012年11月に交渉開始が宣言されたが、19年11月を最後に途絶えた。岸田政権下で韓国との関係は好転したが、中国とは日本産水産物の輸入停止措置などの問題を抱える。

岸田首相がFTAの交渉再開を加速させる背景には、中国の過剰生産問題があり、経済的課題や関係強化の必要性がある。

日中韓3カ国は27日に韓国の首都ソウルで開かれる岸田文雄首相と中国の李強首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による首脳会談で、「日中韓自由貿易協定(FTA)」の交渉再開で合意する方向で最終調整に入った。26日、複数の日本政府関係者が明らかにした。会談後に公表する共同宣言に盛り込まれる見通しだ。

日中韓によるFTAは2012年11月に交渉開始が宣言されたが、その後の関係悪化のため、19年11月を最後に交渉は途絶えた。岸田政権下で韓国との関係は好転したが、中国とは東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を受けた日本産水産物の輸入停止措置などの問題を抱える。

今回、岸田首相がFTAの交渉再開を加速させるのは、中国の過剰生産問題が世界各地で深刻化していることが背景にある。中国政府は巨額の補助金を特定企業に拠出し、生産能力を過剰に高めた上で廉価な中国製品を大量に輸出しており、日米欧の企業の経営を圧迫しているとの指摘もある。首相としては、早期にFTAの交渉を再開し、FTAの枠内で中国に市場ルールにそぐわない政策や貿易慣行の是正を求めたい考えだ。

共同宣言では他に3カ国首脳会談の定期開催や気候変動対策、2025年大阪・関西万博の成功に向けた協力についても明記する。