イスラエル企業が一堂に会する生命科学の祭典、Biomedとは

AI要約

イスラエルのライフサイエンス企業が革新的なプロダクトやテクノロジーを展示するバイオメッド・イスラエル・カンファレンスが開催された。

AIやバイオテクノロジーに注目が集まり、イスラエル企業の技術がヘルスケア分野に革新をもたらす可能性が議論された。

がん治療にAIを活用するスタートアップのセッションや新たなビジネス構築の取り組みが行われ、革新の可能性が模索された。

イスラエル企業が一堂に会する生命科学の祭典、Biomedとは

昨年10月から続くイスラム組織ハマスとの戦争の中でも、イスラエルの起業家たちのイノベーションに向けた意欲は衰えていない。その一例に挙げられるのが、5月21日からテルアビブで開催されたBiomed Israel Conference(バイオメッド・イスラエル・カンファレンス)だ。

今回で22回目を迎えた年次カンファレンスの主催者は、「不確実な時代の中で協力し合い、まだ満たされていないニーズを解決しようという私たちの決意は、希望の光となり最大の強みになるのです」と述べている。このカンファレンスは、世界のライフサイエンス業界から数千人が参加するもので、さまざまな分野の治療法や医療機器、デジタル・ヘルス・ソリューションの幅広いトピックに焦点を当てている。

バイオメッドでは、新興企業から大手企業まで、100社を超えるイスラエルのライフサイエンス企業が革新的なプロダクトやテクノロジーを展示する。

毎年5月に開催されるバイオメッドは、ヘルスケア分野の企業の幹部や投資家が革新的な製品や技術と出会い、次に何が来るのかを学ぶ場となっている。今年のイベントでは、人工知能(AI)とそのバイオテクノロジーへの影響に対する世界的な関心が高まっていることから、イスラエルのAIの熟練度がヘルスケアの未来にとって何を意味するのかについて注目が集まった。さらに、膨大なデータを分析するための効率的かつ独創的なアルゴリズムの開発は、サイバーセキュリティ分野におけるイスラエル企業の強みであり、こうしたスキルや専門知識がヘルスケアに何をもたらすかについても議論された。

今年のカンファレンスの目玉の一つとなったのが、がん治療にAIを用いた精密医療スタートアップ、OncoHostのCEOであるオファ・シャロン(Ofer Sharon)医学博士と、イスラエルのヘルステック関連の投資会社aMoonのゼネラルパートナーのヤロン・ダニエリィ(Yaron Daniely)がモデレーターを務めたセッションだ。このセッションでは、機械学習とAIに焦点を当て、これらのテクノロジーが、新たな治療法の開発と、患者への対応にどのように役立つかを議論した。

■世界のライフサイエンス産業に革新を

OncoHostのシャロンCEOは、イベントに先立ち、「今回のカンファレンスのセッションでは、新たなアイデアを持ち、その検証を進めているアーリーステージの企業と、すでにプロダクトの商品化に取り組んでいる成熟したスタートアップが一堂に会することになる」と説明した。彼は、このディスカッションが、企業がどのようにビジネス構築するか、そして彼らが「最初から収益を上げるための道筋」を探る方法を解き明かすものになることを望んでいると語った。