「機能性表示食品」検討会、報告書案まとめる

AI要約

消費者庁は、機能性表示食品の製造・品質管理についての報告書案について合意したことを発表した。

報告書案は、健康被害情報の取り扱いや製造・品質管理などの論点を明確に取りまとめており、機能性表示食品の信頼性向上を重視している。

さらに、届出者に法的義務を課すことやGMPに基づく製造管理の義務化など、具体的な改善策が提言されている。

 消費者庁は23日、「機能性表示食品を巡る検討会」の最終会合を開催、サプリ形状の機能性表示食品についてGMPに基づく製造・品質管理を法的義務とすることなど、制度の今後の方向性を提言する報告書案について大筋で合意した。検討会構成員からの意見を踏まえて表現等を修正し、近く報告書を公表する。

 検討会は4月19日に設置、計6回の会合を開催。機能性表示食品の「安全性のあり方」に重点を置き、15の個人・団体等から延べ19回のヒアリングを行った。

 主な論点は、(1)健康被害情報の取り扱い、(2)製造・品質管理、(3)情報伝達のあり方――の3つ。論点ごとに、これまでの議論を踏まえた提言を取りまとめた。一方、論点に対応するための規制・要件を厳格化しすぎると、「科学的根拠の情報開示が求められない『いわゆる健康食品』に戻り、かえって消費者の選択肢を狭める結果に陥りかねない」と指摘。機能性表示食品の信頼性を高め、実効性のある対応策にする必要があるとした。また、見直し議論の法制的な着地点として、「法令(内閣府令または告示)に明確に規定することが適当」とした。

 (1)の健康被害情報の報告については、届出者が判断に迷わないよう、対象となる事案や報告期限などを明確に規定したうえで、「届出者が法的義務として行うものとすることが適当」と提言。食品表示基準で提供に関するルールを規定することを盛り込んだ。一方で、行政機関に提供された情報の公表に関しては、「一定の基準が示されることが重要」としている。

 (2)では、サプリメント形状の機能性表示食品は、「法令で規定されたGMPに基づく製造及び品質管理を行うことを、届出時や届出後の販売期間中における法的義務とすることが適当」とした。GMPによるサプリ形状の製造工程管理義務化に当たっては、わかりやすいチェックポイントの整備を消費者庁が行う必要があるとした。(3)では、機能性表示食品であることの「識別性」を高めることなどの改善策を示している。報告書案ではさらに、今回の提言で義務化する項目は、新規届出だけでなく、既存の届出者に対しても「適用されるようにすることが適当」とした。