呉服専門店「きもの鈴乃屋」の旧運営会社、(株)平河が破産

AI要約

(株) 平河(旧商号:(株)鈴乃屋、資本金5000万円)が自己破産を申請し、新会社の(株)鈴乃屋が事業を引き継ぐことが発表された。

(株) 平河は1930年に創業し、高級品の販売で成功を収めたが、市場縮小やコロナ禍の影響で経営が厳しくなり借入金も増加。

(株) 鈴乃屋は新たに設立され、当社の呉服販売・レンタル事業を引き継ぎ、紅輪が全株式を譲受して営業を継続する予定。

 (株) 平河(TDB企業コード:985345945、旧商号:(株)鈴乃屋、資本金5000万円、登記面=東京都台東区上野1-20-11、代表小泉寛明氏)は、5月21日に東京都地裁へ自己破産を申請したことを、当社から事業を譲り受けた新会社の(株)鈴乃屋(TDB企業コード:835067767、東京都世田谷区)が発表した。

 

 (株)平河は、1930年(昭和5年)に日本橋で呉服商を創業、その後戦災で焼失したが47年(昭和22年)9月に上野広小路にて「きもの帯 鈴乃屋」を再開、50年(昭和25年)6月に法人改組した。1970年代には出店数は100店舗を超え、83年には165店舗にまで増加。88年3月期は高級品の販売が寄与するなど年売上高約617億1600万円を計上していた。長らく代表を務めていた小泉清子氏は、大河ドラマの衣裳考証を担当するなど業界を牽引する存在として知られていた。

 しかし、着物は購入からレンタル利用へ変遷するなど、着物市場が縮小するなか、当社の売上高も約190億円(2002年3月期)、約85億円(2017年3月期)と減少し、収益面では一進一退を余儀なくされていた。近年は、コロナ禍の影響で結婚式や成人式などイベントの中止によって厳しい経営環境となり、この間、借入金は25億円(2019年3月)から40億円(2021年3月)、50億円(2022年3月)と増加していた。

 こうしたなか今年3月中旬には、当社より新設分割によって新設された新会社の(株)鈴乃屋(東京都世田谷区)に当社の呉服販売・レンタル事業を承継し、まるやま・京彩グループの(株)紅輪が新・鈴乃屋の全株式を譲受することが明らかになっていた。

 負債は2023年3月期末時点で約37億2000万円だが、その後変動している可能性がある。

 なお「鈴乃屋の事業はすでに新・鈴乃屋に引き継がれ、営業を継続いたします」としている。