日米欧と台湾の樹脂は不当廉売? 中国が調査、制裁関税など牽制か

AI要約

中国商務省は、日本、米国、EU、台湾から輸入している樹脂についてダンピングの疑いで調査を始めた。

調査対象はポリアセタール樹脂で、自動車部品や電子機器、医療機器、建材などに幅広く使われている。

米国や日本、EUも中国への対抗措置を強化しており、台湾では新総統の就任式が開かれた状況。

 中国商務省は19日、日本、米国、欧州連合(EU)、台湾から輸入している一部の樹脂について、ダンピング(不当廉売)の疑いで調査を始めたと発表した。反ダンピング関税などの対抗措置につながる可能性もある。米国は今月、対中制裁関税を大幅に引き上げると発表しており、こうした動きに対する牽制(けんせい)の意味合いもありそうだ。

 中国商務省の発表によると、調査対象は「ポリアセタール樹脂」という素材で、自動車部品や電子機器、医療機器、建材などに幅広く使われている。4月下旬に中国国内の複数企業から調査の申し立てがあったという。今後、基本的に1年以内に調査を終わらせるとしている。

 米国は今月、電気自動車(EV)や半導体など7分野で対中制裁関税を大幅に引き上げると発表。日本も、米国主導の半導体の対中輸出規制などで米国と足並みをそろえる。EUも中国によるEV補助金の調査を進めている。また、台湾では20日に頼清徳(ライチントー)新総統の就任式が開かれた。前日の調査発表は新政権への圧力にもなり得る。(北京=鈴木友里子)