「賃上げブーム」と言われても…「新卒時から年収が上がっていない人」の割合を明かした「衝撃の調査結果」

AI要約
企業での年収の増加が期待されるが、実際には必ずしも上がらない現実があるミライトーチによる調査結果では、新卒からの年収アップが約67.8%であり、その中でもアップ額は主に10万円以下や11~50万円であることが分かった新卒や若手社員に対する賃上げが増えているものの、既存社員にその恩恵が及ばないことが問題となっている
「賃上げブーム」と言われても…「新卒時から年収が上がっていない人」の割合を明かした「衝撃の調査結果」

企業に入社し、一定年数勤め上げる中で、年収は自然と上がっていく……、それがビジネスパーソンの理想だが、現実はそうとも限らないようだ。

株式会社キュービックが運営する、転職活動や新しいキャリアの選択を支援するサービス『ミライトーチ』が、「賃上げブーム」の実情について正社員1,109人に調査を実施している。その興味深い結果の一部を紹介しよう。

*調査結果全体は〈賃上げブームの真相【専門家が解説】初任給だけで既存社員は上がっていない?賃金アップの年代差を正社員1,109人に調査〉でまとめられている

同調査ではまず、「新卒から今までで年収はアップしたか?」と質問。

「かなりアップしている」(24.9%)、「少しアップしている」(42.9%)と回答した人が合わせて67.8%と大半を占めた。

一方で、新卒から年収が変わっていない人も20.9%存在する。また「やや下がった」「かなり下がった」という回答も11.6%あった。

厳しい実態がうかがえる調査結果だ。

また、気になるのは「年収アップの中身」。

年収がアップしたと回答しているのは752人。その新卒時と比べてアップした金額の内訳を見ると、一番多い回答は「10万円以下」(17.1%)。「11~50万円」(13.5%)が次に続く。

そして、アップした額が100万円以下という人が計43.8%で、ほぼ過半数。こちらもなかなか厳しい結果である。

近年、人材確保の目的から、新卒や若手社員の「賃上げ」が目立っているものの、その恩恵が必ずしも既存・ベテラン社員に及ぶとは限らないことが、同調査からわかったと言えよう。

*     *     *

なお、先日「マネー現代」で公開した〈年収は10年で2倍に、社宅は「庭付き一戸建て」…33歳大手製造メーカー社員の「うらやましくなる給与と福利厚生」〉でインタビューに応じた田中さん(仮名)は、年収が10年間で約2倍(ボーナス、残業代込み)になったと明かしている。

彼が勤務するのは、グループ会社全体で1万人以上の従業員数を抱えるプライム企業。「賃上げブーム」といっても、どの会社に勤務するかで、その波に乗れるかどうかが決まると言えそうだ。