為替の影響だけじゃない!? この3年で著しく値上がりしたクルマTOP5

AI要約

パスタや車などの物価上昇の影響を受け、車の値上げが続いている。

2021年から2024年までの値上げ率を示し、車種によって異なる値上げの傾向を明らかにする。

フィアット500やフォルクスワーゲンTロックなどの輸入車の値上げ率が目立つ。

為替の影響だけじゃない!? この3年で著しく値上がりしたクルマTOP5

テレビのニュースをつければ「値上げ!」とか「物価高騰」というフレーズを聞かない日はない昨今、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。

突然ですが、パスタはお好きですか? 2021年7月にスーパーにおける全国平均価格が521円だったパスタ1kgの価格は、2024年7月は647円なんですってよ、奥さま(総務省統計局の小売物価統計調査より)。

背景にあるのは円安とロシアによるウクライナ侵攻(ウクライナはパスタの原料である小麦の大産地)のダブルパンチで、3年の間に大体2割強の上昇ってとこですかね。なにやってくれちゃってんのよ、ロシア。

というわけで、本日のテーマは値上げ。クルマの情報にアンテナを張りまくっている読者諸兄なら、ここ最近の新車に値上げラッシュが起こりまくっていることをご存じのことでしょう。クルマの価格はここ3年でどのくらい上がったかを可視化し、そのインパクトを見ていこうというのが本コラムの狙いでございます。

一例として現代スポーツカーのメートル原器ともいえる「マツダ・ロードスター」。最もベーシックな「S」グレードの2021年9月の価格は260万1500円でした。それが3年後の2024年9月時点では289万8500円。29万7900円も! っていうか、元の車両価格の1割以上も値上げしちゃっているじゃないですか(とはいえパスタに比べると値上げ率は低いけど)。値上げ率は11.4%ですね。

まあ2024年1月発売のモデルで中身が大きく進化するとともに従来はなかったセンターディスプレイをはじめとしたお金がかかりそうな装備が追加されているので「中身の伴わない値上げ」ではないですが、それにしても3年前のロードスターって安かったのね。

というわけで、このロードスターSの値上げ率11.4%を「1ロードスター」として、気になるクルマの値上げを見ていきましょう。

まずは、手軽な輸入コンパクトとして高い人気を誇る「フィアット500」(間もなく販売終了ですが)。2021年9月(以下同)に200万円ピッタリだった「1.2カルト」の最終的な価格は259万円。値上げ率はパスタどころじゃない25.9%で“2.27ロードスター”でございます。フィアット500って200万円なら「この値段ならいいか」と思うけど、260万円って言われちゃうとなんだか……(以下自粛)。ただ、フィアット500の名誉のために補足しておくと、まったく同じ仕様ではなく装備も多少増えてますけどね(クルーズコントロールとか)。

ちなみにそこへサソリの毒を注入した「アバルト595」(こちらも間もなく販売終了)になるとどうか?

高性能仕様の「コンペティツィオーネ」はかつてMTモデルで383万円。そこから幾度かの値上げを施し、マイナーチェンジで「アバルト695」へと進化した現在の価格は、480万円。25.3%アップで“2.22ロードスター”です。フィアット500と大体同じですね。このあたりが手ごろな輸入車のスタンダードってとこでしょうか。値上げ率としては、“パスタ+α”ってことで。

いっぽう輸入車の定番ブランドといえばフォルクスワーゲンですが、何を隠そう2023年に最も売れた輸入SUVは同ブランドの「Tロック」。そんなTロックはどうかといえば、かつて355万円だったベーシックグレード「TSIスタイル」が現在は458万1000円(途中でマイナーチェンジがあった)。値上げ率29%で“2.54ロードスター”とちょっと高めです。それにしても3年間で100万円のアップか。ハァ(ため息)。