バッテリーも半導体も九州がアツい! 灼熱の「モビリティーアイランド」が秘めた可能性

AI要約

九州は自動車産業に力を入れ、トヨタや日産が次世代電池の生産拠点を建設する。この取り組みは経済産業省の計画に認定され、国内投資や助成金に注目が集まっている。

トヨタはパフォーマンス版電池の生産計画を進め、全固体電池の開発も行う。一方、日産はLFP電池の量産を目指し、コスト削減を重視している。

自動車メーカーの取り組みが広がりつつあり、今後の動向が注目されている。

バッテリーも半導体も九州がアツい! 灼熱の「モビリティーアイランド」が秘めた可能性

自動車産業の盛んな地域と聞いて、どこを思い浮かべるだろうか? 都道府県別では愛知県、静岡県、神奈川県などが上位に入るのだろうが、地域としては山陽や阪神、北関東も忘れてはならない。加えて、東日本大震災のあとに車両生産に影響が出たことで、東北もまた自動車産業に欠かせない地域であることが広く知られることとなった。

そしてもう1カ所、忘れてはならないのが九州だ。

九州は「カーアイランド」と呼ばれるほど、地域をあげて自動車産業に力を入れている。2024年9月6日にはトヨタ自動車が、次世代電池の生産を行う新工場を福岡県の苅田港新松山臨海工業団地内に建設することを発表。同時に日産自動車も、車載用蓄電池の開発・量産を担う新工場を福岡県内に建設予定であることを明らかにした。いずれも福岡県の「北部九州自動車産業グリーン先進拠点プロジェクト」の一環であり、福岡県もプレスリリースを発行している。

トヨタは次世代電池として、普及版・パフォーマンス版・ハイパフォーマンス版の3種と、さらに全固体電池の開発に取り組んでいる。新工場では完全子会社のプライムアースEVエナジー(2024年10月1日にトヨタバッテリーに社名変更)とともに、パフォーマンス版の電池を生産する計画だ。一方、日産が新工場で手がけるのはレアメタル不使用のLFP電池(リン酸鉄リチウムイオン電池)で、開発中のNCM(三元系)リチウムイオン電池の進化版や全固体電池とは異なり、コスト削減がひとつのミッションだという。両社とも2028年から本格的な生産体制に入ることを目指す。

これらの計画は、経済産業省の「蓄電池に係る供給確保計画」の認定を受けたものだ。経産省は今般12件の計画を認定し、総額約1兆円の国内投資に対して最大約3500億円の助成を行う予定だ。自動車メーカーではスバルとマツダもパナソニックエナジーとの協業計画で認定を受けており、今後の動向が気になるところである。