トルコがPHVに輸入規制、国内生産に向け中国メーカーに圧力との見方

AI要約

トルコ貿易省は、中国を含む一部の国からのプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の輸入に厳しい条件を課すことを決定した。6月に決定された電気自動車(EV)輸入規制に続く措置であり、中国製自動車に対する制限が広がっていることが示唆されている。

条件を満たす輸入業者が皆無であることを指摘するアナリストもおり、今後はPHV車が入ってこなくなる見通しだ。トルコ政府は中国自動車メーカーに対して国内生産についての協議を強化しており、中国EV大手の比亜迪(BYD)との合意が報じられている。

業界データによると、中国ブランド車の輸入量が急増しており、トルコと中国自動車メーカー間の交渉が活発化していることが示唆されている。

トルコがPHVに輸入規制、国内生産に向け中国メーカーに圧力との見方

[イスタンブール 20日 ロイター] - トルコ貿易省は、中国を含む一部の国からのプラグイン・ハイブリッド車(PHV)の輸入に厳しい条件を課した。20日付の官報で明らかになった。30日後に施行する。6月に決定した電気自動車(EV)輸入規制に続く措置となる。

中国製自動車は、EVを中心に政府から手厚い補助金を受けているとして、米欧などで輸入を規制する動きが出ている。アナリストは、トルコ政府が、同国での生産で協議している中国自動車メーカーに圧力をかけようとしていると指摘する。

官報によると、輸入業者が欧州連合(EU)や自由貿易協定を締結している国以外で生産されたPHVを輸入するためには、国内7地域に20の公認サービス店を持つなどの条件を満たす必要がある。

アナリストは、この条件を満たす輸入業者は皆無と指摘。コンサルティング会社EBSダニスマンリクの創業者エロル・サヒン氏は「今後、在庫は別として、PHVは入ってこなくなる。その他のハイブリッド車にはすでに高関税が賦課されている」と述べた。その上で、トルコ政府は、国内生産について交渉している中国自動車メーカーに対し「対応を急げというメッセージを強めた」と指摘した。

中国EV大手の比亜迪(BYD)は7月、トルコで10億ドル投じて年間生産能力15万台の工場を建設することでトルコ政府と合意した。

先週、トルコの関係筋は、中国が自国企業に海外投資にかかるリスクを警告したが、BYDの対トルコ投資プロセスは問題なく続いていると述べていた。

奇瑞汽車や上海汽車も交渉中。

業界データによると、中国ブランド車の1─8月の輸入は前年同期の2倍以上の6万3000台で、全体の8%を占めた。