タイ中銀総裁、独立性必要と強調 政府は利下げ要求

AI要約

タイ中央銀行の総裁は金融政策決定において中銀の独立性の重要性を強調しており、政府との利下げ要求との対立が深まっている。

利下げは一時的な成長支援になるが、インフレや脆弱性のリスクを増大させ、長期的な成長や危機への影響が懸念されている。

政府は度重なる利下げ要求をしているが、中銀は金利水準が適切であり、構造問題が成長を妨害していると主張している。

タイ中銀総裁、独立性必要と強調 政府は利下げ要求

[バンコク 20日 ロイター] - タイ中央銀行のセタプット総裁は20日、金融政策決定において中銀の独立性が必要だと強調した。政府は景気下支えに向けて金利を引き下げることを要求し、金利据え置きを続ける中銀との対立が深まっている。

シンポジウムで、利下げは短期的には成長を支援するが、インフレとトレードオフの関係にあり、債務蓄積や投機といった脆弱性にもつながりかねないと指摘。これらのリスクは長期的な成長を抑制、危機につながる可能性があるとし、物価安定には中銀の独立性が重要と述べた。

政府は、財政刺激策を補完すべく利下げを繰り返し要求。中銀は、金利水準は適切との立場で、構造問題が成長を妨げていると主張する。

タイ中銀は政府からの度重なる利下げ要求に抵抗しており、主要政策金利はこの1年にわたって10年来の高水準である2.50%で据え置かれている。次回の金利決定会合は10月16日に開催される予定。

ペートンタン首相は、首相就任前に、中銀の独立性が経済問題解決の障害になっていると発言していた。