西鉄が国交省の実証運行参加事業者に採択! 完全キャッシュレスバス運行開始ってマジ?

AI要約

西日本鉄道(西鉄)は国土交通省の『完全キャッシュレスバス実証運行』に参加し、観光客やインバウンドの利用が多い路線で実証運行を行う。運賃支払いは現金ではなくキャッシュレス決済に限定される。

実証運行では、課題把握や知見獲得を目指し、福岡市都心部を循環するBRT路線と福岡空港国際線ターミナルとJR博多駅を結ぶ路線の2つで実施。2024年12月から2025年2月までの運行を予定。

完全キャッシュレスバスは時代の要請であり、若者の現金を持たない傾向などから重要性が高まっている。ただし、システムトラブルや通信インフラの停止などのイレギュラーにも注目が必要。

西鉄が国交省の実証運行参加事業者に採択! 完全キャッシュレスバス運行開始ってマジ?

 西日本鉄道(西鉄)では、国土交通省の『完全キャッシュレスバス実証運行』の参加事業者としての採択を受け、観光客やインバウンドの利用が多い一部路線で実証運行を行う。完全キャッシュレスバスの定義は運賃の支払いを現金ではなくキャッシュレス決済に限定したバスだ。

 文/写真:古川智規(バスマガジン編集部)

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 本実証運行では、完全キャッシュレスバスの運行実現に向けた課題把握や知見獲得を目指す。対象路線は、福岡市都心部を循環するBRT路線、福岡空港国際線ターミナルとJR博多駅を結ぶ路線の2路線で、運行期間は2024年12月~2025年2月末までを予定している。

 2路線目はFukuoka BRT(連節バス)で、区間は天神・博多駅・ウォーターフロント地区。運行本数は全日83便。これら2路線で使用できる決済手段は、交通系ICカード・クレジットカードタッチ決済・各種乗車券(SUNQパスなど)になる予定で、車内で現金での支払いはできない。

 完全キャッシュレスバスは時代の要請ともいうべきシステムで、現金を持ち歩かない若者が増えてきている現状では当然の流れなのかもしれない。

 しかし現金客が少なくなったとはいえ、システムトラブルや通信インフラの停止等のイレギュラーはつきものだ。こうしためったに起こることではないのかもしれないが、可能性はゼロではないトラブルにどう対応するのかというところにも注目が集まるだろう。

 バスではないが、通信やシステムトラブルにより突然使用できなくなり決済不能で混乱したことは何度もある。その最後のお守り的な現金が使えない不安を払しょくするシステム構築や対応マニュアルの策定は必要だろう。

 日本有数のバス事業者が実証実験とはいえ、バス王国の福岡市内で実施する意義はこのあたりにあるのかもしれない。キャッシュレス「でも」払える安心感と、キャッシュレス「しか」使えない不安には大きな隔たりがある。よって多くの知見を積み重ねて、安心してキャッシュレスバスに乗れるようになるかどうかが問われそうだ。