カナダCPI、8月は2.0%上昇に伸び鈍化 中銀目標に到達

AI要約

8月のカナダの消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.0%上昇し、前月から伸びが鈍化。特にガソリン、電話サービス、衣類・靴の価格低下が影響した。

住宅ローン金利と家賃の上昇がCPIの最大の要因であり、住居費は5.2%上昇した。一方、中銀は経済を刺激するため、利下げを検討している。

CIBCのシニアエコノミストは、物価上昇の落ち着きに注目し、中銀が失業率の上昇を抑えるための政策を重視すべきだと指摘している。

カナダCPI、8月は2.0%上昇に伸び鈍化 中銀目標に到達

[オタワ 17日 ロイター] - カナダ統計局が17日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)の前年同月比上昇率は2.0%と、前月の2.5%から伸びが鈍化した。2021年2月以来、3年半ぶりの低水準で、カナダ銀行(BOC、中央銀行)が目標とする2%に達した。前月比は0.2%下落した。

ロイターがまとめた市場予想は前年同月比2.1%、前月比は横ばいだった。

中銀が重視するコア指標の前年同月比の伸び率も3年4カ月ぶりの低水準となった。コアインフレ指標の一つであるCPI中央値は前年同月比2.3%上昇、CPIトリム値は2.4%上昇と、それぞれ前月の2.4%、2.7%から鈍化した。

物価上昇の鈍化は主にガソリン、電話サービス、衣類・靴の価格低下による。ガソリン価格は前年同月比5.1%下落し、インフレ鈍化に最も寄与した。衣類・靴の価格も4.4%下がった。

一方、家賃は上昇し、住宅ローン金利分を含む住居費の鈍化ペースは遅い。CPI全体の約30%を占める住居費は5.2%上昇。前月は5.7%上昇だった。主に住宅ローン金利と家賃の影響による。

住宅ローン金利の費用は8月に18.8%上昇と、前月の21%からは減速したものの高水準が続く。家賃は8.9%上昇と、前月の8.5%から加速した。住宅ローン金利と家賃が、8月のCPI上昇の最大の要因だった。

CIBCのシニアエコノミスト、アンドリュー・グランサム氏はレポートで、物価上昇が落ち着いていることを踏まえ「カナダ銀行(中銀)は経済を刺激し、失業率の上昇を抑えることに注力すべきだ」と指摘。来年半ばまでにさらに200ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していると述べた。