ドル下落、今年1月以来の低水準-米当局の大幅利下げに期待強まる

AI要約

ドルが今年1月以来の水準に下落し、0.5ポイントの利下げが決まる見通しが強まっている。

ドル指数は低水準であり、他の主要通貨に対して円などが上昇している。

米金利判断への期待がドルの動向に影響し、ドルは軟化傾向にあり、円は1ドル=140円の水準を超えている。

ドル下落、今年1月以来の低水準-米当局の大幅利下げに期待強まる

(ブルームバーグ): 16日の外国為替市場で、ドルが今年1月以来の水準に下落。今週の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5ポイントの利下げが決まるとの見方をトレーダーは強めている。

ブルームバーグ・ドル指数は0.4%下げ、1月12日以来の低水準。一方、円など他の主要通貨はドルに対して上昇している。今週の米金利判断の見通しに連動するスワップ金利は、0.5ポイント利下げの確率を約50%と織り込んでいる。1週間前には、この可能性は事実上完全に排除されていた。

ナショナルオーストラリア銀行(NAB)のストラテジスト、ロドリゴ・カトリル氏は、「間近に迫った米連邦準備制度の新たな緩和サイクルが、ドルにとって大きな逆風になるとみている」と指摘。「ドルは循環的な下落に入るだろう。米当局はフェデラルファンド(FF)金利を引き下げ、来年には中立金利を下回らないまでも、それに近づけるだろう」と述べた。

ドルは過去1カ月、大半の主要通貨に対して軟化。かつては売り込まれた円やスイス・フランなどがドルに対し大きく上昇している。16日の取引では、日米金利差の縮小見通しを背景に円が上げ幅を広げ、注目されていた1ドル=140円の水準を超えた。

円が1年超ぶりの139円台に上昇、日米金利差の縮小観測で (1)

17-18日のFOMCを控え、当局者は金融政策に関する発言を禁じられている。トレーダーらが当局の意向を推し量るために頼りにするのは、17日に発表される8月の小売売上高などいくつかのデータだ。

モメンタムは弱気に転じたが、テクニカル指標はドルに対するサポートを示唆している。クレディ・アグリコルCIBのストラテジスト、デービッド・フォレスター氏(シンガポール在勤)は、「米当局の緩和サイクルが前倒しとなるリスクはあるが、市場はこのリスクを過大に評価している。今週の利下げは0.25ポイントだろう。そうなれば、ドルは反発する」と述べた。