ポルシェ新型「911カレラ」日本初公開! ベーシック仕様も「劇的パワーアップ」 ファンミーティング「Night Misson 911」での注目度とは?

AI要約

2024年9月11日、ポルシェエクスペリエンスセンター東京で初の夜間イベント"Night Misson 911"が開催され、最新型"911"が日本初公開。

"911"オーナー向けのプレゼンテーションで、改良型"911"(992II)のポイントや"T-hybrid"の新機能などが紹介された。

"911"の歴史と進化、最新モデルのエンジン性能向上などが公開された。

ポルシェ新型「911カレラ」日本初公開! ベーシック仕様も「劇的パワーアップ」 ファンミーティング「Night Misson 911」での注目度とは?

 2024年9月11日、日本のクルマ好きにとって新たな聖地となったポルシェ公式ドライビング施設「ポルシェエクスペリエンスセンター東京」(以下、PEC東京)において、初の夜間イベントとなった公式ファンミーティング「Night Misson 911」が開催。先頃アップデートが図られた新型「911」が日本初公開されました。

「Night Misson 911」は、“911の日”の開催だけに参加できる車両を「911」に限定。平日夜の開催にも関わらず、160台の募集枠に対して287台もの申し込みがあったといいます。

 イベント冒頭、ポルシェジャパンの代表取締役社長フィリップ・フォン・ヴィッツェンドルフさんは“911フリーク”たちを歓迎。2024年5月28日に予約受注がスタートした改良型「911」のアンベールをおこない、上陸したての改良型「911カレラ」を披露しました。

 アンベール後、改良型「911」(992II)のポイントを、ポルシェジャパンのプロダクト&サービス部 プロダクト&プライシング マネージャーであるマイケル・ゴルスラ-さんらがプレゼンテーション。改良ポイントや進化した部分に関する解説がおこなわれました。

 熱心な「911」オーナーを前にしたプレゼンテーションとあって、ゴルスラ―さんも気合十分。予定時間を大幅に超える熱心かつていねいな解説により、大幅なバージョンアップを図った992IIの詳細を理解することができました。

 歴代の「911」は、時代の先を読む革新的な進化が図られ、「最新型こそ最良のポルシェ」であることを示してきました。

“ナロー”とも呼ばれる初代モデルでは、“安全なカブリオレ”としてルーフ上部のみの着脱を可能とした「タルガ」を投入。また964型では、スポーツオートマチックの元祖といえるティプトロニックと4WDを初採用。さらに996型では、エンジンを空冷から水冷に切り替えることで使い勝手を高めました。

 同様に、2019年に投入された現行の992型は、デュアルクラッチ式トランスミッションである“PDK(ポルシェ・ドッペルクップルング)”を8速仕様にアップデート。多段化による俊敏なシフトを可能としています。

 今回の主役である992IIの最大のトピックは、「911」初の採用となるパフォーマンスハイブリッド“T-hybrid”の設定です。T-hybridは長年、ポルシェが市販車とモータースポーツ活動で培ってきた技術によって生まれたもので、高性能バージョンである「911GTS」のパワートレインに搭載されます。

 T-hybridは環境性能の向上はもちろんのこと、軽量かつパワフルなシステムであることも重視。それにより、モーターアシストとエネルギー回生を実現するマイルドハイブリッド仕様となっています。

 電気モーターは、ターボチャージャーとPDKに搭載。電動ターボとすることで、瞬時に過給圧を高めることを可能としています。さらに、モーターはジェネレーターとしての役目も持たせることで、排気からのエネルギー回生も可能にしています。

 8速PDKに組み込まれた電気モーターは、アイドリング時の回転数でも最大150Nmのトルクを発生。最大40kWの出力向上でエンジンをサポートします。もちろん、減速時などにはエネルギー回生も実施するなど、エネルギー効率を高めています。

 組み合わされるリチウムイオン電池は、最大1.9kWhの充電能力を持ちながらサイズと重量を12Vスターターバッテリー級に抑えることで、重量増を抑制しています。

 もちろん、ハイブリッド機構が組み合わされる水平対向6気筒エンジンも、新開発のものへとアップデートされています。シングルターボ仕様となる3.6リッターエンジンは、エンジン単体でも最高出力357kW(485ps)、最大トルク570Nmと十分パワフル。システム全体では、最高出力398kW(541ps)、最大トルク610Nmを発生します。

 3リッターのツインターボエンジンを搭載する従来型「GTS」と比べ、飛躍的な性能向上を実現。ハイブリッド化による重量増が気になるところですが、50kgアップに抑えられています。またエアコンのコンプレッサーも、電動式に改められました。

 新しい「911GTS」は、専用のエクステリアデザインを採用しているのもポイント。フロントエプロンと左右に可変式冷却フラップがついたフロントバンパー、フロントリップスポイラー、アダクティブフロントディフューザーつきアンダーボディ、センターロック仕様の20/21インチ“GTSホイール”、リアエプロン下部に搭載されたチャージエア冷却用のエアアウトレットポートなどが専用品となっています。なかでも、中央配置となるエキゾーストパイプが特徴的です。

 インテリアも、「スポーツクロノパッケージ」の標準化などアップデートが図られています。

 さらに足回りでは、“リアアクスルステアリング”の標準化などアップデートとさらなるチューニングが図られ、走りの基本性能を高められています。

●スタンダードな「911カレラ」も確実に進化

 そんな992IIですが、今回「PEC東京」で初披露されたスタンダードモデルである「911カレラ」でも、各部のブラッシュアップが図られています。

 最大のハイライトは、エンジン性能の向上。3リッターの水平対向6気筒ツインターボエンジンは、従来型「911GTS」用のターボチャージャーと従来型「911ターボ」用のインタークーラーを装着。これにより、最高出力は290kW(394ps)、最大トルクは450Nmまで向上しています。

 なお展示車は、足元にナローや930のホイールを想起させるクラシックデザインの5本スポークホイールを装着。内装は上品なコニャックカラーとするなど、レトロさを意識した仕様でした。最新型でありながら、長年培われてきた「911」の魅力が凝縮されたような1台で、非常に魅力的に映りました。