【フィアット 600e】デザイナーが語る細部に宿る『600』のモチーフとは

AI要約

ステランティスジャパンはフィアット『500e』の姉ともいえる位置づけの『600e』(Fiat 600e)を発表した。

デザイナーのフラソワ・ルボワンヌさんによると、イタリア人のライフスタイルを象徴するデザインフィロソフィー「ドルチェ・ピータ」を取り入れつつ、600eを制約を感じさせないシンプルなデザインにしようと試みた。

500eや初代600のデザインモチーフを組み込みながら、個性と力強さを与えた600eは、内装にもビンテージ感やモダンさを取り入れている。

【フィアット 600e】デザイナーが語る細部に宿る『600』のモチーフとは

ステランティスジャパンはフィアット『500e』の姉ともいえる位置づけの『600e』(Fiat 600e)を発表した。1955年にデビューした初代『600』との関係性やデザインについてチーフデザイナーのフラソワ・ルボワンヌさんに話を聞いた。

ファットのデザイン部門に3年ほど前から在籍しているルボワンヌさんは、フィアット全体のデザインフィロソフィーを「ドルチェ・ピータ」と位置づけ、「その瞬間を楽しむ」デザインの方向性を持たせているという。ドルチェ・ビータを直訳すると□甘い生活□。気ままで自由な生活や豊かな生活といったイタリア人のライフスタイルを象徴する言葉として知られている。

その背景にあるのは、「イタリア人は、時間に縛られたり、社会の規制にもあまり縛られたりしたくないと思っている。それをデザインでも表現したい」とルボワンスさん。ただし、「それが難しい。クルマを作るうえでは規制や制限しかない。そこで600eでは制限や制約を感じさせないシンプルでわかりやすいデザインにした。これが本当に難しかった」と開発当初を振り返る。

そこで600eは500eや最初の600のデザインモチーフを取り込みながらデザインされていった。特に、「500eよりも長いキャビンや、より長いデイライトオープニングなどが用いられたほか、充実しているトランクセクションはまさに初代600を感じさせる」と説明。さらに、フロント部はシャークノーズにすることで600を想起させている。同時に「500eと比較し個性と力強さを与えている」と述べる。

そのほか、「トランクハンドルなどのディテールも、初代のセイチェントを彷彿とさせるもの」と話す。

これはインテリアデザインにも引き継がれており、「2トーンのシートはビンテージ感を演出。600のロゴをステッチに大胆に使用したり、フィアットのロゴパターンをエンボス加工で表現したグラフィックを取り入れたりしている」と述べる。