インフィニオン、世界初300mmウエハー開発に成功 GaNパワー半導体の低コスト化へ

AI要約

インフィニオンテクノロジーズは、次世代の電気自動車(EV)に搭載される窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の開発に成功したと発表。

300㍉㍍ウエハーの製造に成功し、高効率・低コストなGaNパワー半導体の供給を目指す。

GaNパワー半導体はEVのパワートレインに活用され、小型化や航続距離の伸長に貢献。今後、生産能力を拡大する予定。

インフィニオン、世界初300mmウエハー開発に成功 GaNパワー半導体の低コスト化へ

 インフィニオンテクノロジーズは11日、次世代の電気自動車(EV)などへの搭載が見込まれる窒化ガリウム(GaN)パワー半導体を製造するための300㍉㍍ウエハーの開発に世界で初めて成功したと発表した。電力効率の高いGaNパワー半導体を低コストでの供給につなげる。

 半導体チップを製造するためのウエハーは、口径が大きくなることでウエハー1枚当たりの製造できるチップが増えることからコスト低減につながる。大口径ウエハーは高度な技術が必要で、GaNのウエハー製造は従来、200㍉㍍でしか実用化されていなかった。300㍉㍍は200㍉㍍と比べて製造できるチップ数が2.3倍に増える。

 GaNパワー半導体は高耐圧や電力損失を低減できることが特長。EVのパワートレインに活用すればコンポーネントの小型化や航続距離の伸長につながることから、次世代EVへの搭載が見込まれているものの、高コストが課題だった。

 同社はオーストリアのフィラッハのパワー半導体工場に設けたパイロットラインで300㍉㍍GaNウエハーの製造に成功した。市場ニーズに対応して今後、生産能力を増強していく。