トヨタがKINTOをテコ入れ 新車サブスクリプションサービスはそんなにおいしいビジネスか

AI要約

自動車メーカー系の新車サブスクリプションサービスが増えており、クルマのサブスクではリース形式が主流である。

クルマのサブスクにはメリットもあるが、所有欲やカスタマイズの自由を求める人には向かない場合もある。

一定の条件に当てはまる利用者には、月々の出費を均等にすることや経費扱いとして利用するメリットがある。

トヨタがKINTOをテコ入れ 新車サブスクリプションサービスはそんなにおいしいビジネスか

トヨタの「KINTO(キント)」をはじめ、ホンダの「楽まる」や日産の「ClickMobi(クリックモビ)」など、自動車メーカー系の新車サブスクリプションサービス(サブスク)が増えている。KINTOに至ってはトヨタだけではなくスバルのクルマも対象となり、今後は某社や某社などトヨタと資本関係のあるメーカーがスバルに追従するのではないかと筆者は予想している。

サブスクといえば一般的には「利用料を払えば使い放題」というイメージだが、クルマの場合はちょっと違う。「一定の料金を払っている間はいろんなクルマを利用できる」のではなく、「毎月均一の利用料で自分専用のクルマを利用できる」というのがクルマのサブスクの基本だ。要はリースである。

そんなクルマのサブスクに対して事情通は「現金で買ったほうが安い」とか「最後に車両を戻さないといけないのがダメ」(契約によっては一部例外あり)、「カスタマイズが自由にできない」さらには「自分名義にならないのが許せない」と意見を言いがちで、それらは大体合っている(KINTOは任意保険料込みなので保険の契約内容によってはトータルの出費が新車購入より安くなることもある)。

ただ、それは不動産の永遠のテーマである「買い物件 VS 賃貸物件」みたいなもの。賃貸物件に住みながら「クルマのサブスク(リース)なんてダメだ」という人は、きっとクルマに対して特別な感情を持ちすぎなのではないだろうか……とひそかに感じているところだ。

ところで、ユーザー側から見たサブスクのメリットといえばなんといっても「クルマに関わる月々の出費(燃料代や有料道路代は除く)が定額」ということだろう。サブスクやリース以外では、現金一括購入だろうとローンだろうと残価設定ローンだろうと、自動車税や車検、定期点検などの出費がある。しかしサブスク&リースなら、それらを含めた月々の利用料となっているため毎月の負担が均等。さらに、企業や個人事業主なら減価償却なんて考えずにまるっと経費扱いにできることも大きなメリットである。

加えてKINTOでは年齢などの条件にかかわらず負担額が変わらない任意保険まで含めたプランだから、若い人や年配の人など任意保険が高額になりがちな利用者は自分で保険を掛けるよりもトータルで安上がりになることが多い。それもメリットといえる。

そもそもクルマのサブスクやリースは「条件に当てはまればメリットがある」というものであり、自分がその条件に当てはまらないのなら、使わなければいいだけ。自分にメリットがないからといって否定するものではないだろう。それは不動産の「賃貸物件 VS 買い物件」でも同じでしょ? 多様な選択肢があるのは、いいことなのだ。