英公的債務、今後50年で3倍も 生産性回復なら伸び抑制=OBR

AI要約

英国の公的債務が現在の3倍に急増する可能性があると予算責任局が警告

公的債務の対GDP比率が急増する見通しであり、政府は政策を講じる必要がある

気候変動や経済生産性の伸びが債務水準に影響を与える可能性があると報告

英公的債務、今後50年で3倍も 生産性回復なら伸び抑制=OBR

David Milliken

[ロンドン 12日 ロイター] - 英予算責任局(OBR)は12日、英国の財政は高齢化、気候変動、安全保障などによる圧力を受けており、対策が取られなければ公的債務は今後50年間で現在の3倍に急増する恐れがあると警告した。

債務の対国内総生産(GDP)比率は現在の約100%から、2070年代半ばには274%に増加する見込みで、他のリスクにより300%を超える可能性があると指摘した。これは昨年の予測とほぼ同じ。

「こうした圧力やショックがわれわれの予測通り現実化した場合、政府は債務スパイラルを防ぐための政策を講じる必要がある」と訴えた。

OBRの予測では、公共支出は1970年代以来の高水準である現在の対GDP比45%から60%以上に上昇する必要がある。

気候変動を抑制するための世界的な行動が起きれば歳出は削減され、債務水準は10%ポイント低下し、公衆衛生が改善されれば、40ポイント低下する可能性があるとした。

また英国の経済生産性の伸びが金融危機以前の水準まで回復すれば、今後50年にわたって債務残高をGDPの100%以下に抑えられるとの見方を示した。

リーブス財務相が予算を発表する10月30日に、OBRは向こう5年間のより詳細な財政見通しを公表する。