貿易混乱がインフレ対策の障壁に=カナダ中銀総裁

AI要約

カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は、世界的な貿易混乱がインフレ目標の達成を妨げる可能性があると指摘。

カナダのインフレ率は2.5%で2.0%の目標を上回っているものの、マックレム総裁は貿易の混乱による変動性に警鐘を鳴らす。

金融政策は経済成長とインフレ率のバランスを取る必要があり、供給ショックにより困難なトレードオフが生じていると説明。

貿易混乱がインフレ対策の障壁に=カナダ中銀総裁

Promit Mukherjee David Ljunggren

[オタワ 10日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁は10日、中銀が2%のインフレ目標を継続的に達成する上で世界的な貿易混乱が障壁となる可能性があり、物価上昇の抑制と経済成長の確保のバランスを取る必要があるとの見解を示した。

7月のカナダのインフレ率は40カ月ぶりの低水準となる2.5%に低下したが、それでもカナダ銀行の目標である2.0%を上回っている。

マックレム総裁はカナダ・英国商工会議所での講演で、貿易の混乱はインフレ率の変動性を高める可能性があり「インフレ率が2%の目標からさらに大きく乖離することを示唆する可能性がある」と指摘。

金融政策では経済成長とインフレ率を同時に安定させることはできないため、コロナ禍に見られたような供給ショックにより、中銀にとって困難なトレードオフが発生しているとの見方を示した。

カナダは先月、中国から輸入する電気自動車(EV)に対し100%の関税を課すと発表。

マックレム氏は、カナダには強みとなる高度な技能を持つ労働力、信頼できるエネルギー・輸送ネットワーク、そして強固な金融機関があるとし「カナダは安価な代替国にはならないだろう」と述べた。