好きにイジッて楽しんで……ってトヨタらしからぬ型破りっぷりで大人気! 後にも先にも「初代bB」みたいなクルマはナシ!!

AI要約

トヨタbBは2000年の東京オートサロンで突如として登場し、ユニークなデザインとカスタマイズ重視のコンセプトで注目を集めた。

特徴的なボディデザインやカスタマイズモデルの展示など、アメリカンカスタマイズ文化にインスパイアされたイベントだった。

開発責任者は後にトヨタ86やスープラといった人気車種を手がける多田哲哉さんで、パワーユニットは2種類の直4エンジンを搭載していた。

好きにイジッて楽しんで……ってトヨタらしからぬ型破りっぷりで大人気! 後にも先にも「初代bB」みたいなクルマはナシ!!

 いまから約24年前、ミレニアムの2000年1月7日、東京オートサロンのトヨタブースで突如として発表されたのが、トヨタbBだ。そのネーミングはblack Box(ブラックボックス)の頭文字をとったもので、試作車なしのデジタル設計を用いた、ズバリ、若者向けカスタマイズ前提(!?)のボクシーなトールボックス型デザインのコンパクトカーであった。

 初代ヴィッツの派生車であるファンカーゴ譲りのプラットフォームを用い、ボディサイズは全長3825(1.5・Z・2WD)~3845(1.5・“X Version”・2WD/1.3・“X Version”・2WD)×全幅1690×全高1640mm、ホイールベース2500mmというもの。

 最大の特徴はエクステリアにあり、カクカクしたボディにビレット風グリルをあしらった、「ワル」っぽいデザインの個性が際立つものであった。だからだろうか、東京オートサロンのbB専用ブースに並べられたbBにノーマルモデルは一切なく、なんと、すべてオートサロンに相応しいカスタマイズモデルだけを展示。オートサロンの場に相応しい新型車デビューとして話題を一気にさらったのである。

 そのカスタマイズモデルは、トヨタのカスタマイズ部門であるモデリスタが製作した「ストリートビレット」、bBの純正ディーラーオプション装着車の「キャルルック」、「SUPER Vセレクション」を始め、アフターマーケットメーカーのダムド、Gスクエア、ヴァルド、ケンスタイルなど、ドレスアップ、コンプリートされたカスタマイズカーの合計11台の布陣でお披露目されたのである。

 特筆すべきは、モデリスタ、トヨタ純正パーツはもちろん、アフターマーケットのアイテムも、bBの販売店である全国のネッツ店で購入、装着できる計らいである。

 ビレット、キャルルックというフレーズが出ていたことからも、アメリカンなカスタマイズ前提のクルマがbBだったわけだ。2000年1月7日の東京オートサロンでアフターマーケットのパーツを装着したカスタマイズカーが展示されたということは、それ以前の1999年中にアフターマーケットのメーカーに新車のbBが納車され、カスタマイズパーツを製作していたことになり、これもまた異例のことだった。

 ちなみに、開発責任者はトヨタ86(ZN6型/2012年~)やスープラ(DB型/2019年~)の開発責任者でもある、あの多田哲哉さんである!!

 そんな初代bBのパワーユニットは2NZ-FE型1.3リッター直4/88馬力と、1NZ-FE型1.5リッター直4/110馬力の2種類が搭載され、ミッションは4速ATが組み合わされていた。このあたりはごく平凡といっていい。