ボーイング、次世代機はシアトル製造 最大労組と合意

AI要約

ボーイングと労使契約の暫定合意が発表され、ワシントン州で次世代機を製造することが含まれた。

賃上げや退職金増加などの条件で合意し、ストライキ回避の可能性が高まった。

コロナ前の次世代機案はNMAで2020年に開発着手、2025年前後に就航を予定。

ボーイング、次世代機はシアトル製造 最大労組と合意

 ボーイングは現地時間9月8日、同社最大の労働組合IAM(国際機械技術者協会)と労使契約の暫定合意に至ったと発表した。合意内容の中には、ボーイングの次世代機をシアトル近郊のワシントン州ピュージェット・サウンド地域で製造することも含まれた。

 今回の契約では、同社史上最大の賃上げや、医療費負担の軽減、退職金への会社負担の増加、ワークライフバランスの改善などで合意した。

 ボーイングは、主力である787型機の最終組立工場をサウスカロライナ州ノースチャールストンの「BSC(ボーイング・サウスカロライナ)」に集約。シアトルで製造される民間機が減少する中、「797」とも呼ばれる次世代機は、再びボーイングのルーツであるワシントン州で手掛けることが決まった。

 コロナ前の次世代機案は、737 MAXと787の間に位置する中型機「NMA(New Middlesize Airplane)」で、座席数は220-270席クラス、ローンチ(開発着手)が2020年内、就航は2025年前後を計画していた。

 ボーイング最大労組には、ワシントン州とオレゴン州ポートランドを中心に3万3000人以上の従業員が加盟。民間機部門は737 MAX、767、777/777X、防衛部門ではKC-46A、P-8、E-7の製造に従事している。今回の妥結で、ストライキは回避される可能性が高まった。