廃食用油からジェット燃料、10月にも試運転開始へ コスモ石油など

AI要約

コスモ石油が廃食用油を原料とする「持続可能な航空燃料」の製造設備を試運転し、国内で初めての量産に入る計画。

SAF製造プラントは堺製油所の空き地に建設され、1日あたり100キロリットルの廃食用油を処理し、年間約3万キロリットルのSAFを生産。

SAFの使用により、温室効果ガスの排出を84%抑えられるとされ、航空会社に出荷される見通し。

廃食用油からジェット燃料、10月にも試運転開始へ コスモ石油など

 石油元売り大手のコスモ石油は、廃食用油を原料とする「持続可能な航空燃料」(SAF)の製造設備の試運転を10月にも始める。来年度には国内で初めてとなる量産に入る計画だ。

 同社は6日、堺製油所(堺市西区)の空き地の一角で進めるSAF製造プラントの建設現場を公開した。

 プラントの敷地面積は約1千平方メートル。建設主体は、同社とプラント大手の日揮、廃食用油の燃料化事業を手がけてきたレボインターナショナル(京都市)の3社で設立した事業会社だ。投資額は燃料タンクの整備なども含め、約200億円にのぼる。

 1日あたり100キロリットルの廃食用油を処理する能力があり、約85%がSAFに、残りがプラスチック原料などになるナフサになる。SAFの生産能力は、年間約3万キロリットル(約2.4万トン)だ。航空燃料に3割混ぜて使うとすると、羽田―ロンドンの片道約700回分にあたるという。

 SAFを使うと、原油からつくられる航空燃料を使う場合に比べて、温室効果ガスの排出を84%抑えられるという。ただ、当面はSAFを既存のジェット燃料に混ぜたうえで航空会社に出荷する。関西空港のほか、中部、羽田、成田などの主要空港で使われる見通しだ。