JAL、急な横揺れでCA骨折 9/4北京発羽田行きJL22便

AI要約

日本航空のJL22便が北京発羽田行きの飛行中に突然横揺れに遭遇し、1人の客室乗務員が肋骨を骨折。乗客や他の乗務員にけがはなかった。

JL22便は121人の乗客と11人の乗員を乗せ、目的地には定刻より21分早く到着した。

航空事故に認定されたこの事故を受け、機体動揺事故の防止に向けた取り組みが必要性が高まっている。

JAL、急な横揺れでCA骨折 9/4北京発羽田行きJL22便

 9月4日午後6時57分(日本時間)ごろ、ソウルの東約200キロ地点の上空で、日本航空(JAL/JL、9201)の北京発羽田行きJL22便(ボーイング787-9型機、登録記号JA863J)が突然大きな横揺れに遭遇し、客室乗務員1人が右の肋骨(ろっこつ)を骨折した。シートベルトサインは消灯中だった。けが人が出たことで、国土交通省航空局(JCAB)は5日、「航空事故」に認定した。乗客やほかの客室乗務員8人からは、けがの申し出はないという。

 JL22便は乗客121人(幼児1人含む)と乗員11人(パイロット2人、客室乗務員9人)の計132人を乗せ、北京を定刻より3分早発の現地時間4日午後4時17分に出発。機体が突然大きく横揺れしたのは日本時間午後6時57分ごろで、大韓民国ソウルの東約200キロの上空、高度約4万1000フィート(約1万2500メートル)を飛行中、シートベルトサインが消灯していた時に遭遇した。その後、羽田には定刻より21分早着の4日午後8時29分に到着した。

 骨折した客室乗務員は、揺れにより座席の一部に脇腹を強打し、肋骨に痛みがあるため病院で診察を受けたところ、レントゲン検査で「右側肋骨の骨折」と診断された。

 「航空事故」は、航空法第76条に定められている「航空機の墜落、衝突又は火災」「航空機による人の死傷又は物件の損壊」「航空機内にある者の死亡(自然死等を除く)又は行方不明」「航行中の航空機の損傷」を指し、骨折などのけが人が出た際も認定される。

 JCABが今年4月にまとめた2023年度上半期の航空事故や重大インシデントの発生状況は、航空事故はゼロ、航空事故につながりかねない「重大インシデント」は1件、「安全上のトラブル」は406件だった。

 国の運輸安全委員会(JTSB)によると、2022年度は航空事故8件のうち、6件が機体の揺れに伴う事故で、過去20年で最も多かった。

 これを受け、JTSBは今年3月発行の「運輸安全委員会ダイジェスト」で、「機体動揺による事故の防止に向けて」との提言を発表。機体動揺事故は発生場所に偏りがなく「どこであっても発生しうる」としており、乗客の事故はシートベルト着用で防げているケースがあるのに対して、客室乗務員は立って作業することが多く、突然の揺れに対して防御姿勢を十分とれない状況が多いと分析している。