ヤマハ「RZ250R」歴代モデルそれぞれの特徴は? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.2

AI要約

1983年に登場したのが型式名29L。大柄なシートと20Lのタンク容量が特徴で、パフォーマンスは高かったが乗り換えに戸惑うライダーもいた。

1984年にはRZ250RR、型式名51Lが登場。パワーアップと軽快なハンドリングが特徴で、ハンドリングが改善されたことで乗りやすさも向上。

1986年に登場した1XGは外装の変更とホイールの変更が特徴で、TZR250が発売されていた時代にストリートでの2スト走りを楽しむバイクとして注目された。

ヤマハ「RZ250R」歴代モデルそれぞれの特徴は? 2ストに造詣の深い後藤武さんが徹底解説 Vol.2

 現在も多くの2ストファンの心を掴んで話さないヤマハRZ250R。Vol.1ではその誕生の背景やマシンの特徴を説明しました。

 Vol.2となる今回はモデルごとの違いやバイヤーズガイド的な説明などを解説していきたいと思います。

 1983年に登場したのが型式名29L。

タンク容量が20Lと大きくシートのスポンジも厚いので、それまでのRZ250に比べるとずいぶん大柄になったと感じました。

 そのため当時RZ250から乗り換えたライダーの中には「馴染めない」という声も聞かれました。

 ただしパフォーマンスが高くなったことは間違いなく、レースでの大活躍は今でも記憶に残っています。このモデルから1ARまではテールランプの形状から「オムスビテール」などと言われています。29Lに関しては、ノーマルで程度の良い中古車がとても少ないのが現状です。

 1984年にはRZ250RR、型式名51Lが誕生します。シリンダーのポートが変更され、強制開閉式キャブレターやサイレンサー別体型マフラーを採用して最高出力が45PSへアップ。

 ハンドルがセパレートタイプになり防風性能の高いカウリングを装備していましたが、カウルがフレームマウントとなったことで、ハンドリングはより軽快に。フロントフォークやブレーキなど細部にわたって改良されていました。

 このモデルに乗ったときは単にパフォーマンスが上がっただけでなく、とても乗りやすくなったと感じました。

 1984年に51Lのネイキッドバージョンとして登場したのが1ARです。

オムスビテールとしては最終モデルになります。

 1986年に登場したのが型式名1XGです。タンクやシートがスリムになり、ホイールも変更されました。

 外装類の変更に伴いフレームも変わっているので、前モデルの外装を取り付けることはできません。「TZR250」がすでに発売されていたことから、ストリートで2ストらしい走りを楽しむバイクとして生まれ変わったのがこのモデルでした。

 当時はレプリカ全盛期でしたが、後藤の周辺ではなぜかレプリカではなく1XGを選ぶ友達が多かったことを記憶しています。

 何度か試乗させてもらいましたが、車体やエンジンの完成度が非常に高くなっていたことに驚きました。それまで周囲にあった29Lや51Lがやれていたのに対し、程度の良い1XGに乗ったことも関係しているかもしれませんが「RZ250Rってこんなに乗りやすくて速かったのか!」と感動したものです。

 18インチタイヤを履いた250ccスポーツバイクのハンドリングとしては、最も完成されていたバイクではないかと思います。