トヨタ連合 vs ホンダ・日産・三菱連合が日本を二分して競い合う! 2030年代の勝負どころに向けて前哨戦が始まった

AI要約

日本自動車産業界でトヨタ連合とホンダ・日産・三菱連合が二大勢力として対立する構図が浮かび上がっている。

トヨタ連合には、ダイハツ、日野、トヨタ車体、豊田自動織機などが含まれ、スバルやマツダとも積極的な連携関係を築いている。

一方、ホンダと日産は、電動化や知能化分野で連携を深める取り組みを進めており、2024年を前哨戦として2030年代の展望に向けて動き始めている。

トヨタ連合 vs ホンダ・日産・三菱連合が日本を二分して競い合う! 2030年代の勝負どころに向けて前哨戦が始まった

 まさに、二大勢力。日本自動車産業界の現状を見て、そんな印象をもつ人が少なくないだろう。次世代に向けて、トヨタ連合に対してホンダ・日産・三菱連合が挑むような業界図式に見えるからだ。

 まず、トヨタ連合についてだが、トヨタグループには独自ブランドをもつダイハツと日野がいるほか、トヨタ車やトヨタ車向けエンジンを企画製造するトヨタ車体と豊田自動織機が存在する。

 さらに、スバルとは「GR86/BRZ」や「bZ4X/ソルテラ」など量産車の共同開発をする深い間柄にある。マツダについては、これまでハイブリッド技術などで連携している。今後についてマツダは、自社開発とトヨタとの関係を、時代の変化を見ながらバランスよく維持していくという企業姿勢である。

 そうしたなか、自動車業界全体として「ハッ」とした出来事が、2024年5月末に都内で実施された。トヨタ・スバル・マツダ3社共同の「マルチパスウェイ」に関する技術説明会である。

 説明会の前には「すわ、資本提携強化か?」という憶測もあったが、蓋を開けてみると話は技術寄りの内容だった。

 カーボンニュートラル燃料などを活用した「内燃機関をカーボンニュートラルに向けた解決策のひとつとして存続させる」ことで3社の方向性が一致したことを対外的に示す機会であった。

 とはいえ、とくに電動化については電池やモーターなど基幹部品に対する初期投資が巨額であり、大きな括りとしたトヨタ連合としては、スバルとマツダそれぞれが独自技術をこれからも磨いていくなかで、3社の関係がさらに深まることが十分に予想される。

 一方で、ホンダと日産は都内で8月上旬、次世代事業戦略に関する記者会見を行った。2社は3月に「電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップ」の検討を開始する旨を公表していたが、今回はその進捗状況を示したカタチだ。

 なかでも、SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル:ソフトウェアで定義されたクルマ)については、「基礎的要素技術の共同研究契約」を締結したと発表。つまり、知能化について2社協業の可能性を具体的に探るということだ。

 電動化については、e-アクスルを共通化する。モーター、インバーター、ギヤなど電動パワーユニットの中核であるe-アクスルの量産を、日立アステモが担うことが明らかになった。電池についても、仕向地によってホンダと日産が使いわける仕組みを検討中だ。

 この発表のなかで、三菱自動車との連携も公表した。

 トヨタ連合、ホンダ・日産・三菱連合のそれぞれが、勝負どころは2030年代と見ており、それに向けた前哨戦が始まったという印象だ。今後の動向を注意深く見守っていきたい。