JAL、A350-900も異常なし エンジン自主点検が全機完了

AI要約

日本航空はA350型機のエンジン自主点検を終え、異常がなかったことを確認。キャセイ航空でのエンジン部品不具合が発生したため、全20機に検査を実施した。JALのA350-1000もA350-900も異常なし。

キャセイパシフィック航空がエンジン不具合で検査を行ったことから、JALは15機のA350-900と5機のA350-1000のエンジンを点検。全機異常なし。A350-1000には追加の検査を30日以内に実施予定。

JALのA350-1000は今年就航し、A350-900も16機受領中。今年7月に追加発注し、将来の国際線に投入予定。キャセイも48機のA350全機に自主点検を実施中。

JAL、A350-900も異常なし エンジン自主点検が全機完了

 日本航空(JAL/JL、9201)は9月6日、エアバスA350-900型機のエンジン自主点検を終え、全15機に異常がなかったことを明らかにした。キャセイパシフィック航空(CPA/CX)のA350-1000でエンジン部品の不具合が見つかり、JALは5機あるA350-1000に加え、型式証明が異なるエンジンを積む15機のA350-900も自主点検し、2機種20機すべてに異常がないことを確認した。また、エンジンメーカーの英ロールス・ロイスからA350-1000向けエンジンのみ改修指示が出たことから、30日以内にA350-1000の追加検査を実施する。

 JALは国内線で標準型のA350-900(3クラス369席/391席)を15機、長距離国際線で長胴型のA350-1000(4クラス239席)を5機運航中。キャセイが運航するA350-1000のエンジン部品不具合は、現地時間2日に香港発チューリッヒ行きCX383便(A350-1000、登録記号B-LXI)で発生した。

 A350のエンジンは航空会社を問わず共通で、JALのA350-1000も同じ英ロールス・ロイス製Trent XWB-97(トレントXWB-97)を搭載。JALはA350-1000の自主点検を3日に初号機(JA01WJ)、2号機(JA02WJ)、もっとも新しい5号機(JA05WJ)の3機、4日に残り2機の3号機(JA03WJ)と4号機(JA04WJ)の検査を終え、すべて異常はなかった。

 A350-900は別のエンジンであるTrent XWB-75を搭載しているが、JALはA350-900も自主点検の対象に加え、4日に10機、5日に残り5機の検査が終了し、全15機に異常がないことを確認した。

 JALのA350-1000は今年1月24日に就航。置き換え対象のボーイング777-300ER型機と同数の13機を発注済みで、現在5機受領している。2019年9月1日に就航したA350-900は、国内線機材として16機受領したが、今年1月の羽田事故で13号機(JA13XJ)が全損となり、代替機を2025年度下期に受領する。

 今年7月には、A350-900を国際線機材として20機追加発注。2027年度から北米・アジア・インドを中心とした、今後成長が見込まれる地域と日本を結ぶ国際線に投入する。

 A350-1000向けのTrent XWB-97は、A350-900向けのTrent XWB-84や-75などと比べ、新しい高温タービン技術やより大きなエンジンコア、ファンの空力特性の組み合わせで推力を増加させた。EASA(欧州航空安全庁)の型式証明は、Trent XWB-75、-79、-79B、-84は2013年2月7日の取得で、Trent XWB-97は4年後の2017年8月31日に取得している。

 キャセイも全48機のA350を対象に自主点検を実施。A350-1000が18機、A350-900が30機で、部品交換が必要な15機を3日に特定した。日本時間4日夜の時点で6機が修理完了、残り9機も修理を進め、7日までに運航を再開する見通し。