中国資産運用大手、幹部に上限超える報酬の返上要請=関係筋

AI要約

中国の資産運用大手、招商基金管理が過去5年間の報酬上限を超えた分を返上させる方針を示し、政府の格差是正政策に応じる動きがある。

招商基金管理は幹部報酬の上限を年間300万元に設定し、2019年から23年までの報酬で超過分の返上を求めている。

政府は共同富裕を掲げており、報酬上限の導入や超過返上は国有企業における格差是正の取り組みに繋がる。

[香港 4日 ロイター] - 中国の資産運用大手、招商基金管理がこのほど上級幹部らに対し、過去5年間に支払われた報酬のうち、今年導入された上限を超えた分の返上を求めたことが、関係筋2人の話で分かった。政府の格差是正政策に足並みをそろえる姿勢を示す狙いがある。

国有コングロマリット大手、招商局集団の100%子会社である招商基金管理は今年、幹部報酬に年間300万元(42万1330ドル)の上限を導入。これを過去にさかのぼって適用し、2019年から23年の報酬で上限を超えた分の返上を求めた。

中国政府は2021年以来、社会的、経済的格差の是正を意味する「共同富裕」を掲げており、国有企業の間では報酬上限の導入や超過分の返上が、この方針に従う姿勢を示す手段となっている。

政府は金融エリートの派手なライフスタイルを戒めており、特に資産運用会社は株価が下落する中でも高い利益を上げていることで厳しい視線を浴びているという。

関係筋によると、国有企業などの会計監査を担う国家審計署の担当者が今年前半、招商基金管理の他、10社余りの資産運用会社を訪問し、業界に対する監視強化を印象付けた。