米地方債、利下げ前に大盛況-10億ドル超の大型発行も減速兆候なし

AI要約

米国の州・地方自治体が11月の大統領選挙を控えて急いで資金調達を行っており、地方債の発行が記録的な需要を集めている。

今年既に地方債発行額は3250億ドルと最高水準で、大型発行も過去10年で最大の約650億ドルに上っている。

地方自治体は将来の利下げを見越して借り入れを急ぎ、大統領選までに混乱を避けるために資金を確保しようとしている。

米地方債、利下げ前に大盛況-10億ドル超の大型発行も減速兆候なし

(ブルームバーグ): 今年11月の米大統領選挙を控え、米国の州・地方自治体が資金調達を急いでいる。米地方債は今年既に記録的な需要を集めており、10億ドル(約1440億円)を超える大型発行にも減速の気配はない。

ブルームバーグが2013年までさかのぼってまとめたデータによれば、年初来の地方債発行額は3250億ドルと、この期間としては最高だった。このうち大型発行は約650億ドルに上り、少なくとも過去10年で最大となった。

ブルームバーグが4日時点で算出した向こう30日間に予定されている地方債の発行規模によれば、見込まれている発行額は約200億ドルと、ここ2年余りで最大だった。実際には発行まで1カ月をきって発表されることも多く、通常はこれを上回る規模になる。イリノイ州やニューヨーク市当局は来週の債券発行を予定している。

今月にも始まるとみられる米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げを前に債券が上昇する中、地方自治体は借り入れを急ぐ。市場に混乱をもたらす恐れがある大統領選までに資金を確保しておきたいとの考えもある。

ニュースクエア・キャピタルのシニア債券ポートフォリオマネジャー、キンバリー・オルサン氏は「想定されている今月のFOMCの利下げは、現在の地方債の利回り曲線にほぼ織り込まれているようだ。選挙が終わるのを待っても結果は大きくは変わらないだろう」と述べた。

原題:Muni-Bond Market Boom in Mega-Deals Shows No Sign of Stopping(抜粋)

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