オーバーツーリズム改善に...西武HD「手ぶらで観光」新サービス開始
西武ホールディングスが始めた新しいサービスは、外国人観光客が持ち運ぶスーツケースによる観光公害を改善するためのものです。
このサービスでは、スマートロッカーを使って手荷物を宿泊先のホテルまで配送することができます。
西武鉄道の沿線周辺に設置されたロッカーを活用し、観光客の利便性向上を図る取り組みです。
いま、スーツケースを持ち運ぶ外国人観光客を駅や電車で多く見かけるかと思います。こうした観光客の増加にともなう観光公害「オーバーツーリズム」を改善しようと、西武ホールディングスは2日、手ぶらで観光できるという新たなサービスを始めました。
西武新宿駅に直結する新宿プリンスホテルでは、大きなスーツケースを持った外国人観光客の姿がありました。コロナ前を上回る水準まで回復した外国人観光客を悩ませているのが、スーツケースを始めとする手荷物です。
「スーツケースを持って観光すると、ぶつかって皆に迷惑になる」(オーストラリアから来た人)
西武鉄道の利用客も「電車に乗るマナーだったり、気になることがある。それだけあまり印象は良くない」と話します。
こうした状況を改善しようと、西武ホールディングスが2日から導入したのが、スマートロッカーを活用した手荷物配送サービスです。荷物をロッカーに入れて、宿泊するホテルを選択。午後2時までに預けると、当日の夜7時までに指定したホテルまで配送される仕組みです。
配送サービスの対象となるのは首都圏のホテルおよそ500カ所。価格は1900~2800円で、使用するロッカーの大きさに応じて料金が変わります。なぜ西武鉄道の駅に導入したのでしょうか?
「西武鉄道の駅でスケール化(拡大)させるよりも、他の事業者を巻き込んでいきたい。他の鉄道会社やホテル、商業施設を巻き込んで、ロッカーを生活のハブのようにしていきたい」(「西武ホールディングス」経営企画本部の青木啓史さん)
西武鉄道の沿線には、川越や秩父など多くの観光客が訪れるスポットなどがあるため、利便性を向上させて、観光客を取り込みたい考えです。
こうしたロッカーの設置に外国人は「これで大きな荷物を持って観光するときも便利になるだろう」と話します。
関東では初めてとなるこの配送サービス。西武ホールディングスは、今回の導入を通して、顧客のニーズや利用状況を検証し、今後拡大していきたい考えです。
※ワールドビジネスサテライト