カスタマイズ、叙々苑…百貨店各社が来年正月用おせち発表 若年層らに訴求する商品投入

AI要約

百貨店各社が令和7年正月用おせちのラインアップを発表。幅広い年代に訴求できるバラエティー豊かな商品を投入し、若年層へのアピールも意識。

おせちの市場規模は年々拡大し、コロナ禍で自宅や実家で過ごす人が増加。節約を意識せず奮発したい人も増加しており、若年層の関心も高まっている。

各百貨店は従来の伝統的なおせちに加え、新感覚の商品や人気焼肉店のコラボ商品など幅広いラインアップを展開し、コスパ重視や若い世代へのアピールに注力。

カスタマイズ、叙々苑…百貨店各社が来年正月用おせち発表 若年層らに訴求する商品投入

百貨店各社が令和7年正月用おせちのラインアップを発表した。巣ごもり需要をもたらしたコロナ禍後の今年正月もおせちの好調が続いたため、各社は若年層ら新たな購入層の取り込み・定着化を図ろうと、幅広い年代に訴求できるバラエティー豊かな商品を投入。予算に応じて内容を選べる「カスタマイズおせち」、初登場の人気焼き肉店「叙々苑」のおせちなど目を引く商品が多く並んだ。予約注文の受け付けは今月から本格化する。

■「奮発したい」

9マスに仕切られた重箱には、おなじみの料理に加え、キャビアや、からすみなどの高級食材が並ぶ。

3年目となる高島屋のカスタマイズおせちは、1マスごとに好きな料理を自由に選ぶことができる。12マスの重箱も選択でき、今回から、選べる料理は従来の30品目から35品目に拡大した。予算面も含めて多様なニーズに応える。

そのほか、パティシエや料亭が手掛けるスイーツおせち、中高年~子供まで楽しめる「キン肉マン」「リラックマ」などのキャラクターをテーマにしたおせちなど、幅広い層を意識したラインアップも目立った。

民間調査会社の富士経済によると、おせちの市場規模は年々拡大。巣ごもり需要で顕著に伸びたコロナ禍の後も高止まりしている。コロナ禍を経て正月を自宅や実家などで過ごす人が増えたのも要因とみられ、松屋銀座が8月20~23日に実施したアンケートでは、来年の正月に自宅や実家などで過ごす予定の人は今年に続き約9割に上った。おせち購入で「節約を意識しない」「奮発したい」という回答も計7割を超えた。従来はおせちに余り縁がなかった若年層も一定数いるとみられる。

■コスパ重視も

大丸松坂屋百貨店は交流サイト(SNS)で人気の料理家「ぐっち夫婦」監修の和風ビーフシチューやエビマヨが入った〝新感覚おせち〟を投入。さらに目玉の一つとなるのが叙々苑監修の焼肉おせちで、重箱の上タン塩やサーロインなどが目を引く。岩渕正剣総料理長は初となる参入の理由を「新たな冷凍技術を確立したことで、お店と同じ味を提供できるようになった」と説明した。

そごう・西武も伝統的なおせちにこだわらず、見た目がきれいなオードブル感覚のおせちを販売。味付けを工夫した和洋折衷の料理で若い世代に訴える。