「ナマズの食文化を守りたい」岐阜・関市で養殖の松田さん、料理店でイベント 

AI要約

岐阜の川人文化研究会が養殖ナマズを食べるイベントを開催。参加者はナマズ料理を堪能し、魚食文化に触れる。

ナマズは県内にも食文化が残る。松田文男さんが養殖技術を開発し、成功を収めた。

参加者はナマズ料理の味わいを楽しみ、ナマズの特長や養殖の重要性について学ぶ。

「ナマズの食文化を守りたい」岐阜・関市で養殖の松田さん、料理店でイベント 

 岐阜の川人文化研究会(長尾伴文代表)は、魚食文化サロン「夏こそナマズを食べよう!捨てるところのない養殖ナマズ」を岐阜県関市の料理店で開いた。県内外の参加者32人が、松文田んぼ養殖ナマズプロジェクト代表の松田文男さん(77)=同市下有知=が育てたナマズ(マナマズ)のコース料理を味わい、魚食文化に理解を深めた。

 サロンは、川の伝統漁法や漁具の保存、魚食文化の普及に取り組む研究会が年に数回、県内各地で開催している。今回、テーマとしたナマズは国内で4種類が生息し、東海や関東、関西などで食べられ、県内では南部の輪中地域に食文化が残る。

 松田さんは2009~11年度、県水産研究所と連携して養殖技術を開発。関市下有知の池でナマズを養殖して、県内で唯一出荷している。サロンでは「ナマズは成長が早く、病気に強い。一方、共食いを防ぐため養殖では給餌が必要だが、餌の価格が高騰している」と紹介。「ナマズの食文化を守るため、養殖を始める人が現れてくれれば」と思いを語った。

 県水産研究所漁業研修部長の武藤義範さん(55)も「ナマズは6月に採卵して10~11月には出荷できるため、養殖に適している」と解説した。

 参加者は、松田さんが養殖した体長約40センチのナマズを余すところなく使った刺し身、湯引きした皮、にぎり、骨せんべい、天ぷら、かば焼きのコース料理を満喫。「臭みがなく、歯ごたえがいい。淡泊でさっぱりして食べやすい」と話し、おいしそうに頬張った。